となりの席の
□近づく笑みと影
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静雄くんは最近、遅刻が多い。
寝坊などではなく、彼はごく普通に通学しているだけだと言うのに、ほぼ毎回変なのに絡まれるらしい。
そんなワケで今朝も私の隣の席は不在です。
「はぁ…」
心なしか授業も詰まらなくて溜め息が漏れた。
「(…そう言えば、私が道に迷ってた時も…絡まれてたっけ)」
やる気が出なくて机にうつ伏せになってしまいたいが、
そうしてしまうと先生に目を付けられて当てられる確率が高くなるので体だけは起きている。
けれどやる気が無いのでノートは驚きの白さだ。ボー○ド要らず…なんてね。
…後で新羅くんにヘルプ求めに行こう。
新羅くんならきっとノートを捕っている筈だ。
「…はぁ…」
本日2回目の溜め息。
「(静雄くん………大丈夫かなぁ…怪我とかしてないかなぁ)」
強くて頑丈な彼の事だから大怪我はしないと思うが…
すぐ治るとはいえ、ほぼ毎回土埃やら掠り傷を作って登校してくる彼を見ると心配せざるを得ない。
黒板の上にある時計を確認しながら窓の外を見るが、来る気配すらない。
「はぁぁ…」
そんな事して時間を過ごしていたら授業終了の鐘が鳴った。
「……」
視界が寂しい。
いつもなら授業が終わって横の席を見ると、金髪の静雄くんが寝てたり、欠伸してたり機嫌悪かったりしてるのに。
「…(うーむ…静雄くん存在感すごいなぁ
居ないとこんなに違和感あるよ)」
「春日さん」
「へ?あ、はい」
無気力を体で表して机にうなだれながら考えていたらクラスメートに声を掛けられた。
「呼ばれてるよ」
「?」
クラスメートが指した方向にはドアの外でにこやかに笑っている黒髪美少年だった。
「(……誰あれ。何故に違うクラスの方が私に…?)」
疑問を抱きながら、呼ばれてると言われたのでその美少年さんの所へ向かった。
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