となりの席の
□不機嫌と不意打ち
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こんにちは静雄くんの隣の席の春日千歳です。
今日は静雄くんの機嫌がすこぶる悪いようで…
先程から殺す殺すという呟きを連呼していますハイ。
きっと今の静雄くんは雰囲気だけで人を殺めることができると私は思う。
静雄くんの周りは蛇に睨まれた蛙のような状態で
教科書のページは進んでいるのに誰もめくるために動こうとしません。
…別に睨まれているワケじゃないけど
こう、 何というか。静雄くんから怒りのオーラが滲み出てて怖くて動けないと言った感じ。
今の状態でこっち周辺を当てたら先生は物凄く空気が読めないと思う。
流行りだった言葉で表すと所謂K・Yだっただろうか。
不機嫌な静雄くんの怒りのオーラに周辺の人間は怯えながら早く授業が終わる事を願っただろう。
私だって怖い。
いや、静雄くんだけってワケじゃなくて
怒ってる人が近くにいるっていうのは、その空気に押し潰されそうで息苦しくて怖い。
というかまさか怒ってる理由は私じゃないだろうか。
女子とメルアド交換なんて内心嫌だったんじゃ…
本音はぶっちゃけチキンな私は時間が立つにつれネガティブになって
行く。
自分の隣の静雄くんを気にしながら受けていた授業はチャイムが鳴ると共に終わった。
「し ずお く、ん」
緊張したからか声がうらがえったり掠れたり。いろいろ最悪だ。
「あ゛?」
「ぅッ……」
に、睨まれた…。くじけるな自分。
逃げちゃ駄目だって神話になったりならなかったりした少年だって連呼してたじゃないか。
「あぁ、何だ千歳か」
私だと気付いたからなのか、重い怒りの空気が少し軽くなった気がしてちょっとだけホッとした。
うん、私だって気付いたからならちょっと嬉しいな。
「あの…だ、大丈夫?」
「は?」
あー、わかってる。わかってますよ。今私間違った質問というか投げかけをしましたね。
ゲームの選択肢だったらBADエンドフラグですねわかります。
ほらほら静雄くんだって何言ってんだ的な顔してるもん!
むしろ私の頭を心配してそうな顔だもん!!
「えーと…何というか、調子悪そうっていうか
何か………怒ってる?」
「……………」
おっとぉ…、またしても空気が重くなった気がする。
駄目だ、BADエンドフラグどころか地雷を踏ん
だか私っていうかダイレクトに聞き過ぎなんですよねわかってます。
わかってますけど内心超テンパってる私には回りくどく考える思考が残っておりませんゴッド。
ここはアレだろうか。おはぎとかお弁当を持ってざんざんと降る雨の中
某オヤシロサマの祟りみたいにごめんなさいを連呼した方がいいだろうか。
「…ごめん…なさい?」
「は?」
実際何に謝ればいいのかわからなくて最後の辺りが疑問系になってしまった。
静雄くんはまたわけがわからないと言った顔で見ている。
「いや、怒ってるのって、私が何かしたんじゃ…」
「いや、俺、千歳に怒ってなんなねーぞ?」
静雄くんがそう言った途端、無駄に力んでいた体の力が抜けた。
「なんだぁ…よかったー
私何かしたのかと思ったよ、もしくはメルアド交換が嫌だったのかと…」
「何もしてねぇよ。交換も別に嫌じゃなかったし むしろ… 」
「ん?」
「交換、嬉しかったし…」
「ッ……(何この人可愛い)」
照れてるのか少し頬を赤くして恥ずかしそうに頭を掻く静雄くん。
それが可愛くて可愛く
て、もしも静雄くんが私より背が低かったら
抱き締めて撫で回したりしてるかもしれない。
「じゃあ何で機嫌悪かったの?」
「……それはノミ蟲がウゼェ事を…」
静雄くんは思い出しながら話してくれてるのかまた空気が重くなる。
「…ノミ?」
「ノミ蟲だ」
聞き返せば真剣に、そしてイラついた様子で教えてくれた。けどノミ蟲って何
「…とりあえず
バル○ンを焚けばいいんじゃないかな」
「バ○サンごときで死ぬような奴じゃねぇ」
「えっ(なにそれこわい どんな強いノミなの)」
結局、よくわからないままだったけど…
静雄くんの可愛い所をまた見れたからいいか。
不機嫌と不意打ち
(千歳、ノミ蟲には気をつけろよ)
(う、うん……?)
―後書き――――――――――――――
説明不足だよ静雄くん^^(笑)
次、噂のノミ蟲が出てきますん。
…出るといいね(笑)←