となりの席の

□青い春と淡い桜
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あの後、千歳と静雄が仲良く一緒に教室を移動すると

それを目撃した生徒達がザワザワと騒ぎ、また小声で話している内にすぐに噂が広まった。


それでなくても2人は前に一緒に登校したりもしていたため、要らぬおびれせびれも付き始めたりしている。


「すごいね、さっきから静雄の噂ばかりだよ」


「…うるせぇな…」


岸谷新羅が静雄に話しかけると静雄はちょっと嫌そうな顔をした。


「…春日千歳ちゃんだっけ?何、本当に脅したりとかしたの?」


「…手前…死にてぇらしいな」


顔面に血管を浮かべ始める静雄を見て焦った新羅は即座に謝った。



だが新羅が言ったような噂は実際に生徒の間で流れたりしている。

「静雄に脅されている」
「静雄に人質をとられて仕方なく」
「弱みを握られている」


そんな様々な噂が広まっていて、新羅もそれを知っていた。


「まぁ、脅されてる子があんな楽しそうに静雄と話してるとは思えないけどね


で、実際のところは?」


「…アイツが道に迷ってたからついでに一緒に行ったり 移動ん時に起こしてもらっただけだっつの

そしたら…何か普通に話しかけてくるように…」


「へえ」


新羅がニヤニヤと静雄を見ていると静雄は新羅を睨んだ。


「よかったじゃないか、静雄の力の事を知っていて怖がらないんだろ?」


「…聞いたら、怖くないって言われた」


静雄にとっての千歳の第一印象は「変な奴」だった。


こちらをじっと見ていて、理由を聞けば「金髪」が第一声だったからだ。


その時の姿はおどおどしているというか不安なんかが混じっていて、

静雄の力を見たりしたら怖がって泣きだしたり逃げて行ってしまうんじゃないかと思っていた。


だというのに、本人に聞いてみたところ笑顔で当たり前みたいに怖くないと言われた。



「笑ってたんなら本当に怖くないんじゃない?静雄のこと」


「…………。」


静雄は少し嬉しそうな顔をした。








「春日さん、平和島くんって危ないから関わらない方がいいよ」


静雄と新羅がそんな話をしていた矢先だった。















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