池袋最強とトリップ少女

□池袋人の憂鬱
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「じゃーん!」


「いや、じゃーんじゃないだろ…。」


結局私は狩沢さん達にダイナミック拉致をされて、只今は門田さんに紹介…いや、見せびらかされています。


「どうも……春日千歳です」


「あ、門田だ」


「千歳ちゃんっていうんだー」


「名前も聞かずに連れてきたのか…」


門田さん半呆れ顔してます。


「はいはい!じゃあ着替えるから男性陣は出てってー」


狩沢さんはそう言いながらさっさと皆をワゴン車の外に出す。


どうしようコスプレなんかしたことないし何のコスプレさせられんの。


「じゃあコレ着てね」


「お…おぉお…」


手渡されたのは制服。

白と水色が印象的で胸元に赤いリボン。

そしてもう一つ渡されたのが黄色いリボンのヘアバンド……。


「(団長…)」


私の知識と推測から行くとコレは涼宮ハルヒさんではないかなと…。


「……か、狩沢さん」


「んー?何?」


コレ、着るんすか………。


とか眩しいお姉さまの笑顔に言えませんでした。


諦めて脱ぎ出すと、狩沢さんは気が付いてしまった。


「…?あれ、私名前教えたっけ」


「あ」


墓穴の更に墓穴を掘った。


まず名前を言ってしまったこと。
そしてそれを言ってしまった事に対して反応してしまった事。


「あ……えっと、ですね」


まあ、いいか。狩沢さん達なら別に。


「実は私 トリップしてきちゃって 所謂、異世界人なんです」


「………………」


「…………………」


狩沢さんが固まった……どうしよう、イタイ子だと思われたのか…?


ゆまっち大変だよ!トリップ少女が


いきなり興奮状態で車のドア開けたぁああぁぁぁ!!!!!


「狩沢さん私まだ着替えてるんですけどぉぉぉおおおお!!!!!」


私は光の速さで狩沢さんの開けた車のドアを閉めた。


ドアの向こうから遊馬崎さんの声が聞こえる「トリップ少女がどうしたんスか!」とか聞こえる。間違っても開けないでくださいよ。


「えっで、なになになになに!?本当にトリップ!?」


狩沢さんは目を輝かせて私の肩をガクガク揺らしてくる。


「ぇえぇぇえぇぇぁああぁぁはぃいぃい」


お姉様、止めてくれないと返事が…。


「きっ着替えた後に説明しますから」


さすが狩沢さん。私が言えたことじゃないがテンション高いな。











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