小さな物語

□クリスマス
1ページ/1ページ

今日は何の日?
恋人達のための日クリスマス。
というわけで、澪とデートなわけだが…
珍しく澪がいつまで経っても来ない。
もしかして事故や事件に巻き込まれたのか…そんな嫌な予感が頭を巡る中
ただひたすらに澪を待つ。
その時、携帯が鳴った。
誰か?なんて気にせずにすぐに出る。
この着信音はあいつだから…。

「もしもし澪?」
『ごめん、律。もうすぐで着くから、もうちょっとだけ待ってて』
「ん。了解。焦らずゆっくり来ていいからな」
『ありがとう』
「いいよ。じゃあ後でな」
『うん』

ゆっくり来いとは言ったものの寒いな…。
それに…早く澪に会いたい。
街行く人はカップルだらけで、早く私もその仲間入りしたい
今日はトレードマークのカチューシャも外し、髪をワックスで整えている。
そんな私を見て澪はどう思うんだろう?…。
ん〜…。笑うかな?
……やっぱりカチューシャ付けていつもの私で来れば良かった

「律?」
「ん?あぁ澪。」
「…」
「どうした?急に黙って」
「いやその…髪」
「あぁ…どう?カッコいいだろ」

ちょっと威張って言ってみた。
本当は澪の反応がかなり怖い…
でも、まぁ似合ってないって言われたらどっかでカチューシャ買って付けたら済む話だしな。

「うん。凄く似合ってるよ。それに…カッコいい」
「え?」

え?澪、今何ておっしゃいました?
私がカッコいい…!?

「澪何て…」
「髪似合ってるよ律」
「んぁぁ〜、真面目な顔して言うなぁ〜照れるだろ!」
「もう一回言えって言ったのは律だろ」

微笑んで澪が言うもんだから余計に照れる。
くそー澪のくせに…

「本当にカッコいいよ」
「ありがと…。」
「うん」
「そういえば何で遅れたんだ?」
「え!?…えと、服選んでたら…その…遅れた…」

か、可愛い…。
理由可愛いすぎだろ
というか、そう言われれば、今日の澪の服かなり可愛い。
なんか普通に上にあった服来てきた私が馬鹿みたいじゃん

「律?」
「ん」
「怒ってる?」
「なんで?」
「遅刻したから」
「怒ってないよ」
「本当?」
「うん。凄く似合ってるし可愛いよ」
「…///急に言うな」
「さっきのお返しだ」
「まったく」
「えへへ。まぁとりあえず、ご飯でも行くか?」
「そうだな」
「じゃあ行くか」

そう言ってさりげなく澪の右手を握り歩く。
我ながら完璧なエスコート。
まぁクリスマスぐらいはカッコつけないとな

「ここでいい?」
「うん」

適当な店に入りご飯を済ませる
最近の話ばかりのたわいのない話を澪とした

「そろそろ出るか」
「そうだな」
「ここは私が出すよ」
「いいよ悪いし」
「大丈夫。大丈夫。」

今日のために、お母さんに来月の小遣い前借りしたんだからな。
さてと財布、財布。
…あれ?財布どこやったっけ?
やべぇ〜…家だ…

「律?」
「いや…その…」
「もしかして…財布忘れてきたとかじゃないよな?」
「えっと…。まぁ…ごめん」
「おいっ!」

殴られはしなかったけど、結構怒られた。

「まったく…。じゃあ今度この分返せよ」
「ありがと、澪しゃん。大好きだぞ」
「調子いいな…」

はぁ…
にしてもここで財布忘れるとか、私の馬鹿。
せっかく1週間前から計画練ってたのに…

「気にしてるのか?」
「何が?」
「さっきのこと」
「あぁー…。私がそれぐらいのこと気にするわけないだろ」

ゴツンと鈍い音が鳴り私の頭にこぶが出来た。
手加減考えて行こーぜ…。

「次はどこ行くんだ?」
「まぁまぁ。付いてきたらわかるから」
「わかった」

もう陽も落ちて辺りは暗くなってきた。
そんな中、澪の手を引き大きなツリーの前で止まる

「綺麗…」
「だよなぁ〜。キラキラしてる」
「あっ…雪…」
「おぉ!ホワイトクリスマスだな澪」
「うん」
「澪…」
「何?」
「こっち向いて?」

頭にハテナを浮かべながら私と向かい合う澪。
澄んだ澪の瞳には私と白い雪。
私はポケットに入れていた小さな箱をゆっくりと出した

「律…」
「クリスマスプレゼント」
「開けていい?」
「うん」
「…可愛い」
「だろ。澪のためにりっちゃん頑張りました」

悩みすぎて、長居してたら店の人に超不審な目で見られたけどな…

「律付けて?」
「仕方ないなぁ。後ろ向いて澪」

澪の髪を挟まないように注意してネックレスを付ける

「似合ってるかな?律」
「うん。似合ってるよ。」
「へへ…ありがと律」
「どういたしまして」

嬉しそうに付けたネックレスをいじっている澪は本当に可愛くて、つい衝動的に抱き締める

「律?」
「メリークリスマス。澪」
「メリークリスマス。律」


end





《あとがき》
いやぁー…
間に合わんかった…
まぁそこもご愛嬌ってことでWw

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ