小話 6


□小さな深い夜に。
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(※サボとコアラの小話)
(※↑の名前に覚えの無い方はネタバレ注意です!)






前置き。

もうね、傷系好きなのですよ。ピアスと刺青もいいけどね。誰かにつけられた消えない傷にときめくんですよ!シャンクスの目元とか!作品違うけどバラライカの姉御とか!顔にでかでかと入ってんのがいい!

初期ナミの腕、ハンコックの背中とか強制された消えない跡を隠しているのもいい!見せたくない、消えない。見ないで!みたいな!創作に限りますけど!


そんな萌えでサボとコアラの短いお話。私は作中男女の絡みも構わん、やれって感じに好きです。

同じく大丈夫!という方は短い小噺ですがお召し上がりください。



↓革命軍、ドラゴンの船にて。






ふと目が覚めた。今は何時だ?
トイレに行こうと思ったが目に映ったベッドに違和感。

隣で寝ていた筈の姿がない。

しかも枕元に置いた大事な帽子が消えている。

俺は焦って身を起こして部屋を見渡した。

薄闇の中、窓に椅子を寄せて外を眺める姿に気づいて、ほっと息を吐いた。


「何してんだコアラ。俺の帽子かぶって…素っ裸で。風邪引くぞ」


俺も椅子を引き寄せ、彼女の横に座った。


「サボ君だって似たような格好よ?パンツ一枚じゃない」


クスクスと笑って言う。
それに反論はできない。昨日やってすぐに寝てしまったからだ。


「…?それ俺の手袋か?何してんだよ本当に」


裸に帽子、それに手袋。マニアックな趣味に目覚めたらどうしてくれる。


「あはは!サボ君の手、大きくなったなーって思って。サボ君がマニアック趣味になってもちゃんと相手するよ?」

「…そりゃどうも。コアラは頼りになるよ」


彼女はまた小さく笑って、視線を窓に戻した。空が白みはじめ、海が見える。


「ねえサボ君。世界が平和になったら何がしたい?」


呟きに返事をする前に、答えなど要らないというような独り言を彼女は続けた。


「私はね、お墓参りに行きたいな。ずっと昔凄くお世話になった…私の英雄のお墓参り」


お互いの過去は知っている。
だから彼女の英雄を俺も知っていた。


「…墓参りか、俺も行きたい。遅えって怒りそうだけどな。あいつ」


窓の外では白々とした太陽が昇る。

彼女も俺も、それぞれの大切な顔を思い浮かべながら日の出を見ていた。


「…くしゅん!」

「…へっへっへっ!そんな格好してっから…っぶしゅ!!」



二人で苦笑いして、どちらともなくベッドに戻った。

体温を分け合うよう抱き合って。


「温かいね」

「生きてるからな」

「冷たくなっちゃダメだよ」

「…………」

「お願い。私より先に、冷たくならないでね」

「ああ。解ってる」



失くす辛さを知ってても、
痛みを分かち合うには及ばない。





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