小話 1
□片恋。
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オヤジの船に乗って、年も近いせいか彼女とは直ぐに打ち解けた。
一緒に飯食って、時には戦い、宴では歌い踊り、バカ笑いし合って……。
まるで何年も共に過ごした仲間のように俺と彼女は仲を深めた。
けど最近、気がついた。
彼女がサッチの事をよく見てること。
今も、そうだ。
「……、なぁ聞いてる?」
「ん?聞いてるよ」
話の途中で尋ねると、彼女は視線をサッチから外して俺に向ける。
あんなののどこが良いんだよ?
顎ちょび髭にリーゼントで女たらし。
いつもへらへら笑ってて、お前が見てたって気がつかない。
なあ、どこがいいんだ?
サッチと居るときのお前はいつもぎこちねぇ様に見えるし、時々凄ェ辛そうだ。
特にサッチの奴が他の女を見てるとき。
…俺だったら、きっとお前の視線にすぐに気づくし、他の女なんか見ねぇのに。
俺の隣に居るときのお前は、ばか笑いはするし大口開けて飯食うし、ちっとも女らしくなんかねぇよな。
サッチと居るときなんか、妙に身なりを気にするくせに。
なぁ、もし。
もしも、お前が見てる相手が俺だったら。
…お前ェがサッチを見るような、そんな顔をさせられねぇのかな?
俺は最近、気がついたことがもう一つあるんだ。
…何か気がつけばお前ェの事ばっか見てる。
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ただいま恋心
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(おーい、エース?どうしたの)
(なんでもねぇよ。聞いてんならいい)
ありがとうございました!
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