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□いろんな衝撃
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俺がデッキを見ながらバトルのシミュレーションしてみると硯がいきなり現れて語り出した。

どうやら外で聞いたことらしい。



ヴィオレ・魔ゐは死んだ―…


バローネがそう言った言葉はすぐに広まり魔族達からいろんな言葉を耳にすると言う。


“あいつ人間だけど好きだったのに”


“俺達の女神が…”


“僕、大きくなったらお姉ちゃんと結婚したかったのに”


“俺のオカズが…”


「!?」


聞いてていろいろ驚いたけど最後の言葉の衝撃性に驚きを隠すせずガラにもなく音をたてながら立ち上がってしまった。


「最後の…」


「本当だよ」


ダン君は呆然としながら座り直し何も聞かなかったことにしようとしてるが焦ってるのが見て解る。


……おもしろい。


「結構いるんだよ?」


「何がだよ?」


「まゐちゃんのファン」


「!?」


ダン君は凄い気迫でこちらを見るけど汗がいっぱい出てる。もう、解りやすいなー。


「いや、ありえないだろ」


「えっ?なんでそう思うの?まゐちゃん可愛いじゃん」


「硯、お前まさかまゐのこと…」


確かにまゐは可愛い。それにどんな奴に対しても平等に接するいい奴だ。
まさか魔族からも好意を寄せられるなんて…
さらに俺の目の前にいる男までも。


「好きだよ?」


「お前…」


「仲間としてね」


「……」


「まぁ、僕はそうでも他はそうは思ってないってこと。ちゃんと捕まえておかないと拐われちゃうよ」


ダン君は頭を抱えだした。


「せっかく戻ってきたと思ったのに余計なものまで一緒に付いてくるなんて思ってなかったし、まゐを使ってするなんて最悪だ」


大切にしたいからまだ手を出していないのに。
まぁ、俺も男だから気持ちはわからなくもない…。けどそれをまゐに当てはめられるのはかなり嫌だ。俺のだからそれくらい思って当たり前だろ?



硯はダンををちらっと見ながら携帯を手にして誰かと話だした。


「あぁ、うん、そう。すぐにね?よろしく〜」


話終えるともう一度ちらっとダンを見てフッと笑って口を開いた。


「何を悩んでるの?」


「それは話の流れで察してくれよ」


「あぁ、まゐちゃんね」


ダンは頭を掻きながらベッドに倒れこんだ。


「どうすればいいんだろうな―…大切にしたいけど他の奴がそういう事してるって解るとなんか焦るんだよ」


「まゐちゃん、待ってるかもよ?」


「ちょっ!勝手なこと言わないでよ!?」


「あぁ、まゐだってそう言うに決まって…って!?」


今いるはずのないまゐの声に驚き勢いよく体を起こすとドヤ顔をキメた硯と何故かまゐがいた。

…おい、硯。お前いつからこんな奴になったんだ。


「…なんでまゐがここに?」


「僕が呼んだんだよ。そういうことはちゃんと話合わないと…というわけで、じゃあね」


「硯、お前っ!」


反論しようとしたが硯は手をヒラヒラと振りながら出て行ってしまった。
残された俺は当然まゐと二人っきりなわけで…。


「えっ…と」


さっきまで話していた内容があれだっただけに気まずさも尋常じゃない。

なんか謝らないといけない気がする。


「まゐっ」


一瞬目が合ったけどふいっとそらされてしまった。


「さっきのは嘘なんだから…」


「えっ、それって」


「っ!!っるさい。と、とにかく私も待ってるからね」


それだけ凄い勢いで言うとまゐは顔を真っ赤にしながら部屋を出て行き、ダンは口に手をあてながら固まってしまった。


「…まじかよ。っつうか可愛いすぎだろ」


俺はあまりにも衝撃的な発言に動くことができずただ部屋の入口を見つめていた。



END

あーーーーーー。笑





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