NARUTO小説
□02.接触
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気を失った過去の俺を見て立ち去ろうとした時、俺を引きとめる声がして後ろにちらりと目をやった。
「ちょっと!あなた、一体何者なの?それに、さっきの大蛇丸ってのは一体…」
そういえば、サクラの存在をすっかりと忘れていた。やはり、記憶にある姿よりも若い。
ここが本当に過去だとしたら、この世界にとって俺は完全に異物だ。
そしてさっきは仕方がなかったとは言え、過去の俺に姿を見られてしまった。うちは一族がいない今、それについて追及されるのも面倒だ。
「ちょっと!聞いてるの?あなたは、」
「少し、眠っていろ」
今ここで騒がれると面倒だ。写輪眼で簡単な幻術にかけると、すぐに大人しくなった。
ーさて、どうするか。
ここが過去だと言うのは間違いないだろう。
……認めたくは無いが。
今は中忍試験の第二試験の最中であり、木の葉崩しの前らしい。
ーこの後、どうなるんだったか。
記憶の糸を探ろうとするも、思い出すよりもそれが来る方が早かった。
隠し切れていない微かな殺気を感じて、俺は声を張り上げた。
「こそこそしてないで出て来い!」
それに応えて姿を現したのは三人の忍。見覚えがあると思ったが、こいつらは確か…
「お前たちは、音の忍だな」
「…!よくご存じで。そう、ボクらは音忍です。あなたが一体何者なのかは知りませんが、ボクたちの目的はそこに転がっているサスケ君を殺すことです」
「…………」
「邪魔をするのであれば、あなたを殺さなくてはなりませんから少々手間がかかることになりますが…」
その眼に宿っている殺気を感じて俺は口の端をつり上げた。
「随分と温い殺気だな…欠伸が出そうだ」
「…聞き捨てなりませんね。あなた一人程度にボクら三人が劣るとでも?」
「劣るとか劣らないとかいう次元の話じゃないだがな。相手との力量差を見極められない上、それが出来たところで出来ることが何もないんじゃ憐れみを通り越して滑稽にすら思えてくる」
「…解りました、いいでしょう。ザク、キン。行きますよ」
リーダー格の男が他に二人に合図を出して踏み込もうとする瞬間、俺は一気に距離を詰め、クナイを首筋に押しあてた。
「……な」
男は目を見開いた。仲間の2人も驚きのあまり固まっていた。
「大蛇丸について、知ってるだけ話してもらおうか」
見開かれた男の眼に、紅い写輪眼が映った。