NARUTO小説
□咎
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「イタチと同じ病だな」
俺を見て、マダラは淡々と言い放った。
体調がおかしくなったのは、丁度2週間前、五影会談襲撃から3週間がたった時だった。
眩暈、そして吐き気。
自らの口から出た赤い液体が、真白な服にしみを作った。
「もう、」
ー助からないんだろ?
「……………」
マダラの沈黙が無言の肯定を示していた。
イタチと同じ病だと、この男は言った。
何故だか、クスリと笑みがこぼれた。
ー嗚呼、これは咎だ。
兄さんの想いを踏みにじり、破った罰だ。
移植した兄の眼に包帯越しに触った。
ーこれは、あんたの仕業だろう?
なあ、兄さん。
「何故、笑っている…?」
戸惑うようなマダラの声。
ー何故、笑うか?
だって、俺は…
「俺は、イタチに殺されたかった」
真実を知ったあの時から、ずっと。
そう願っていた。
兄さんの想いを踏みにじる愚かな俺を止めて欲しいと、
ずっと願っていた。
兄さんになら、殺されてもいいと。
否、兄さんに殺されたいと。
ずっと、ずっと。
「ありがとう…兄さん」
咎
最期に、俺を救ってくれて。
俺を、愛してくれて。
ありがとう、兄さん。
大好きだよ。
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