銀土小説
□プラットホーム
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朝、8時15分。
俺はいつも3番階段を上ってすぐのベンチで電車を待つ。
電車が来るのは、8時23分。
俺はいつもの通り、静かに目をつむる。
夜遅くまでバイトをしている分、出来るだけ体を休めたい。
だが、
ーやばいな、コレ。
思っていた以上に疲れがたまっていたようで。
8分体を休めるつもりだったのだが、体が言う事を聞かない。
起きねば、と思うほどに眠気が増していく。
微かに、プラットホームに電車が来ることを告げる放送が聞こえた。
ヤバい。
早く起きろ、俺の体。
俺の学校は基本的に校則も緩いが、夜9時以降のバイトは禁じられている。
それを、理事長のババアに頼んで「学校生活に支障が出ないこと」を条件に特別に許可してもらっていた。
ここで遅刻して、バイトを辞めさせられるとかいう事態になったら非常にまずい。
ー頼むから、起きてくれ。
俺の想いとは裏腹に体はピクリとも動かない。
その時、
「!」
眉間に痛みが走り、それに伴い目が覚めた。
俺が目を開けると、電車がプラットホームに丁度入ってきたところだった。
俺は慌てて電車のドアに滑り込む。
電車の中で息をつき、反対側のホームに目をやると、そこには黒いブレザーに身を包んだ黒髪の男が立っていた。
プラットホーム
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