沖土小説
□届かない手
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最近、土方さんに会っていない。
確かにお互い忙しい身ではあるし、
仕事が続けば1週間顔をあわせないこともざらにある。
でも、もう1カ月近くだ。
土方さんを見ないな、なんて思っていて。
気がつけば1週間。
2週間。
3週間。
1か月がたっていた。
何度か会いに行きはしたが、
なぜかいつも副長室の前にいる山崎に門前払いをくらった。
何で土方さんの部屋の前に山崎がいるんだとか、
何で土方さんに会ってはいけないのだとか、
聞きたいことは山ほどあった。
だけど、いつになく真剣な山崎の顔がそれをはばからせた。
それを聞くなと、
訴えているようだった。
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