NARUTO小説

□02.接触
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「僕のチームはもう巻物は手に入れてね、たまたま君たちを見つけたんだ。見つけたのが僕でよかったよ」


懐から幻術で作った二つの巻物を3人に示した。記憶にある中忍試験のころのカブトの口調を出来る限り真似て話す。


「本当、カブトさんには感謝しなくちゃね!」


笑顔で礼を言うサクラに少々居心地の悪さを感じるも、俺はへらっと笑ってみせる。


「それよりも君たち、もう残りの時間も少ないからね。早くここを出た方がいい」

「そうなんですか?でも出るって言ってもどこに…」

「少し考えてばわかるだろう?確実に巻物が手に入る場所が」

「……?」


サクラは考えるそぶりを見せたが、ナルトは早々にお手上げらしい。


「確実に巻物が手に入る場所…?」

「……塔の周りか」


小さくつぶやかれた『俺』の言葉に「ご明答」を答えた。


「塔には二つの巻物を手に入れたチームが必ず向かうからね。まだこれに気づいているチームは少ないけど、直に皆塔の周りに集まりだす。その前に動くのが得策だ」


この森の中で襲われたら『俺』を守りきるのは少々厳しい。出来るだけ早くクリアさせた方がいい。


「なるほどね!流石カブトさん」

「そうと決まったなら急ぐってばよ!」

「待つんだ、ナルト君」


さっそく歩き出そうとしたナルトをたしなめる。


「何でだってばよ?急がないと巻物が…」

「さっき、気付いているチームは少ないと僕は言ったよね?つまりは、少しのチームはそれに気付いている。ここからは慎重に行った方がいい。先頭は僕が行こう」


その時、それまで黙っていた『俺』がふいに口を開いた。


「……あんた、何で俺達にそこまでしてくれるんだ?あんたは巻物をもう持ってるんだろう?」

「僕だっていつ襲われるか解らないしね。仲間は多い方がいい。それに、君たちを見てると昔を思い出してね、つい応援したくなるんだ」

「……………」

「さあ、行こうか」


その時、微かに感じた気配に俺は口の端をつり上げた。

そしてその人物にだけわかるであろう殺気を放つ。


「カブトさん、どうしたんですか?」


動かない俺にサクラが声をかけ、俺は柔和な笑みを浮かべた。


「なんでもないさ」









「大蛇丸様、あいつは一体…」


カブトは、自分の姿に変化してナルト、サスケ、サクラの三人と話す男をじっと見つめた。

その時、男が不意に殺気を放った。


「………!」


ヒリヒリと肌をさす殺気。

ーあの距離から僕が見ていることに気付いたのか。


「さあね、さっきもサスケ君に呪印をつけようとしたところを邪魔されたわ。写輪眼を持ってたし、うちは一族のものであることに間違いは無いと思うけど」

「…今生きているうちは一族はサスケ君とイタチだけでしょう」

「私もそう思っていたんだけどね、案外そうでもないのかもしれないわ」

「……しかもあの殺気、僕があなたの部下だと知っているようです」

「本当、何者かしらね。彼を相手にするといろいろと面倒そうだからあなたに行ってもらおうと思ってたんだけど先手を打たれたわね」

「音忍三人もやられたようですしね、どうしましょうか?」

「…まあいいわ、サスケ君については私が隙を見て呪印を与えて手に入れることにするわ」

「僕はどうしましょうか?」

「とりあえず今は彼に警戒しつつ動きなさい」

「解りました、大蛇丸様」



 
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