捧げもの
□俺だけの
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だが、先程上げたような女性に人気がある沖田、高杉は文化祭でクラスの為に働くような奴ではなかった。
そのため、気真面目な性格を利用され、その分土方は働かせていたのだ。
「いらっしゃいませ、お嬢様」
クラスの女子の指導を受けて作った慣れない笑みを浮かべる。
すると、客の女性は顔を赤らめる。
「土方さん、いい調子よ。このまま頑張ってちょうだいね」
志村妙が柔和な笑みを浮かべた。
「いや、俺そろそろ休憩なんだが…」
「ん?何か言いましたか?」
「いえ、何も…」
志村の笑顔に押されて何も言えなくなってしまう。
「俺が代わりまさァ」
突然かけられたその声に土方は驚きの声を上げた。
「総悟!」
面倒くさがり屋な沖田が自ら行事に参加する。
今迄そんなことはほとんどなかった。
沖田は、ちらりと廊下に列を作った女子生徒たちに目をやると、にやりと笑った。
「このアホな女どもを適当に乗せて金巻きあげればいいんですよねィ?簡単でさァ」
「そう?ならお願いするわね」
志村は結局のところどちらが店に立つかなどあまり関心は無かったようで、あっさりと承諾した。
この仕事は沖田の天職だったようで、その後3Zの教室は大いに賑わった。
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