裏
□与貰
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夕方の寮内
視界の端に動くものを見つけて目を止める
そこには階段近くのソファーに腰を掛ける一人の青年がいた
綺麗な顔立ちのよく見知った彼は、表情には出さないもののどこか疲れているように見える
「…支葵?」
「あ…名無しさん」
「仕事帰り?
モデルのお仕事だったっけ」
「ん…疲れた」
隣に座るとゆっくりと支葵が抱き着いてきた
「し、支葵…?」
「うるさい…
ちょっと黙って」
首に顔を埋められ、体がビクッと震えた
耳元で支葵が口を開く
「…お腹減った
チョーダイ…?」
「ここじゃ…誰か来ちゃうよ」
「別に気にしない…」
そう言うと支葵は名無しさんの首を舐め始めた
静かな空間にピチャピチャという卑猥な音だけが響く
そして一瞬の鈍い痛み
「……っ…」
名無しさんの首から流れる血を逃がさないというように支葵は舌を這わせた