Amaretto

大人の男
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「は〜、それにしても…土方さん?
かっこよかった〜ぁ!」

寺田屋に帰って来てから、縁側に座ってさっきのことを思い出す。

なんなんだろう?

こっちの時代の人って、なんか皆…かっこ良くない?

「______。」

土方さんもめちゃくちゃかっこ良かったけど、あの総司って呼ばれてた人もすっごい美少年だったし…。

………。

そうやって考えると桂さんや武市さんも凄い綺麗なんだよね。

立ち姿とか、胸がすくっていうか凛としててショーのモデルとかできそうだし。


高杉さんや以蔵だって、渋谷とか原宿にいたら凄い目を引くしモテると思う…。バンドとか組んだら人気出るんじゃないかな?

「…………。」


「?姉さん?…姉さん、どうしたんスか?」



ん?慎ちゃん?

慎ちゃん…。

「ど、どうしたんスか?姉さん…?」


じっ…。

慎ちゃんも、可愛い顔してるんだよね…。


「おお、中岡、名無しさん、客人が見えたぜよ。」


そのとき、龍馬さんが玄関からやって来て私たちに告げた。


龍馬さん…。


龍馬さんも凄い綺麗な目をしてて顔立ちも男らしくって、戦隊もののヒーローみたいだし…。



「小娘、久しぶりだな。」


お、大久保さんっ…!


大久保さんも、めちゃハンサムじゃない??

「…なんだ。小娘?人の顔をまじまじと見て、呆けるな。」

はっ!

「/////っ!な、なんでもないですっ!」

「気味の悪いやつめ。時に小娘、おまえ先ほど十三屋の前で男ふたりと話していたであろう。」

「はっ?はい。ああ…前に私をどこかで見たと言われて。“ちんみょう”って、言われました。」

「くっく、珍妙か。それは言い得て妙を通り越して、的を得ているな!」

…なんか、大久保さん、大喜びしてる感じ?


「ふふふ。そのふたり、おまえは知らぬようだから教えてやる。あれは新撰組の土方と沖田だ。」

「なぬ!?新撰組の土方くんと沖田くんが、名無しさんに話しかけたと?」

「うわわ。それはまずいっスよ!姉さん。」

「まぁ、私が見かけた感じだと話しかけたというより、目についたという雰囲気だったがな。」


「ま、姉さんは目立ちますからね…。」

「そんなわけで、坂本くん!小娘がこちらに馴染むまで、あまり外にひとりで出さないほうがいいだろう。…とは言っても、君たちは大手を振って通りを行き来できるわけではないし、小娘もこのような狭い宿にじっとしていては、息が詰まる…。
小娘!今日より、薩摩藩に来てもいいぞ。」

「ほええ!?え!遠慮します!」

「なんだ、遠慮することはないぞ。私のもとに来ればここよりは安心して過ごせる。小娘は何分、こちらの物事というものを知らぬから、私が手取り足取り教えてやろう。」

「いやいやいや。大久保さん!その話はまた時間のあるときにゆっくり決めればいいき。今日はとにかく話し合いをすませねば…。」

「そ、そうっスね…!姉さんお茶を持て来てもらえますか?」

「あっ!はい、そうします!」

「小娘。」

「お、大久保さんのお茶は極渋でしたよねっ!入れてきます!」

そう言って、足早に台所にかけて行った。

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