spin off
□大久保さんの秘密メモ
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「しかし、大久保っていうのは確かに器のデカイ男だ。政治的な予測や行動力は素晴らしいが、性格はいいのか??」
「…まぁ、確かに“薩摩の頭脳”と言われてる人ッスからね…。」
「大久保さんはまっこと志の高い人格者じゃと、わしは思うちょる。しかし恋仲になるとまた話は別じゃ。」
「この間はたまたま仲良く挟み将棋をしていたが、何しろ本性の見えない男だ。加えて気障で嫌みも多いし、気難しそうだ。嫁に行って、名無しは大丈夫なのか!?」
「晋作、それは杞憂というものだよ。大久保さんは、ああ見えて、自分から憎まれ役を買うようなところもある。でも、その行動はいつも先を見据えてのことだ。あれだけの大出世をした人だし、名無しさんもきっと幸せにしてくれるだろう。」
「しっかし、そんな大久保さんと名無しが、めおとになるとはのう〜。これは犯罪じゃよ。」
「は、犯罪!?」
「犯罪とは、穏やかじゃないな。ま、僕も同じ意見ではあるが…。」
「先生!やはり、いますぐ斬りましょう!」
「まぁまぁ、とにかくこうなった以上は皆、すっぱり名無しさんのことは諦めて、ふたりの祝言をともに祝おうじゃないか?そうだろう?」
「は〜。また小五郎は綺麗にまとめるな。」
「俺は大久保さんなら、姉さんを幸せにしてくれると思うッス。ちょっと寂しい気も否めないっスが、俺は祝福するっス!」
「慎太、無理してないか?」
「し、してないっス!」
「とにかく、このまま様子を見守って、名無しさんが幸せだと思えるなら、それも仕方ないな。」
「武市にしては、諦めがいいのう。しかし、わしもあんな幸せそうな名無しの顔を見たんじゃ。大久保さんの元で可愛い名無しが幸せというなら、それも仕方のないことがよ。」
(全員)「そうだな…。」
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