Amaretto

大人の男
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その日、私はお使いに出ていた。

「ええっと、地図はしっかり書いてもらったから…道に迷わないようにしないと!」

「あれ?」

「ん?」

「あっ!この人ですよ、土方さん。僕がこの間見かけた珍妙な娘さんって…。」

「ち、ちんみょう?」

そこには女の子みたいな綺麗な顔をしたびっくりするくらいの美少年さんと

「珍妙な…。ふん、なるほど、確かに珍妙に違いねえ。」

と墨色の羽織袴の長身の男の人が立っていた。

「///////っ!」

か、

か、

かっこいい…!

かっこいい…、なんなの?この時代の人って?

私の目の前に現れたその墨色の羽織の人は

なんていうか圧倒的なオーラがあった。

昔、テレビ局の近くに友達と遊びに行ったとき見かけた芸能人…ドラマで主役だったり、雑誌で表紙になったりする俳優、その人を間近で見かけた時に感じたみたいな“一般人とは違う”オーラ…。

「…………。」

「あれ?どうしました?」

薄い水色の着物の美少年さんが私の顔を覗き込む。

「おい、総司。この娘、言葉が通じないのかもしれんぞ。」


こ、声も素敵…。

「…か、かっこいい!」



「はあ!?」

「かっこいいって、格好が良いという意味ですかね?土方さん。」

「どうやら喋れるみたいだけど、言うことも珍妙だな。
おい!珍妙!」

「はいっ?」

「おまえ、名前はなんと言う?」

「ええっと、名無しです。」

「名無しちゃんか…。かわいい名前だね。」

美少年さんがニッコリ笑った。

「おまえ、ここらで見かけないツラだな。最近、京に来たのか?」

「え?…はいっ!そうです!」

「家は何処なんだ?」

「この近くです。助けてもらった人にやっかいになってるんです。」

「ふーん。そうか、近くか。」

「そしたら、また会えるね。」

「はい!あっ、私、お使いの途中なんです。遅くなると心配かけちゃうから、失礼します。」

「おまえ、帰り道はわかるか?なんだったら送ってやろう。」

え…この人、優しいんだ…。

「いえいえ!すぐ近くだからわかります!ありがとうございますっ!」

私は深々と頭を下げて、土方さんと総司さんと別れた。


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