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キスを練習中
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私は自室で皆の会合が終わるのを待っていた。

「ふふ。このあと皆とお話しできるから楽しみだな♪」

取り立てて、今日はもうやることもないし…と庭に目をやると、横切る猫と目があった。


…かわいい…!


「チョッチョッチョ。おいでおいで。」

縁側に出て手を出して呼ぶと、人なつこいのか寄って来る。

うわ〜〜〜〜!
めちゃくちゃかわいい…。

猫は私の手をくんくんと嗅ぐと
にゃあ〜と声を上げる。

「何処から来たの?」

と話しかけて、一歩、踏み石に足を降ろすと、びくっとして離れて行ってしまった。

「あ〜、行っちゃった…。」

ノラ猫みたいだし、まだちっちゃいから人に慣れてないのかも…。

「抱っこしたかったのに…残念!」

手持ち無沙汰になった私はふと思う。


なんかさ…。

この時代って、ぬいぐるみってないよね?

家には私の部屋にクマのぬいぐるみがあって、ハグハグしまくってたから、寂しいかも…!

人恋しいというか、そういう時ってあるんですけど…


どうしよう??

「うーん?やっぱ、あれ?」

私は押し入れから自分が使ってる枕を出して、それを縦にして抱いてみた。

中に蕎麦殻が入ってて「ムギュッ」って音がしたけど、まぁ、いいかんじ?

「ん〜ハグだからね…。」

枕をぎゅ〜って、してたらなんだか小五郎さんのことを思い出した。

今朝、…小五郎さんがしてくれたキス…。

思い出してついついはにかんでしまう。

人から見たら、今の私…
絶対怪しい…。

「…こんなかんじ?」

今朝のキスを思い出して、枕を顔に持っていって両手で抱えて首を傾げてみる。

んん…っと、少し口を開けて…
こう?

舌をちょっとだけ出すんだよね…。そうすると呼吸が苦しくないって、最近わかったし…。

「んー?」


…………。



「小娘、それはなにかのまじないか?」


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