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大久保さんの秘密メモ
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「それにしても、大久保さんにはやられたぜよー。」

「坂本っ!思えば、最初から俺たちのところにすれば良かったものを。何故、名無しを薩摩に預けた!?」

「これこれ。晋作、起きてしまったことをあれこれ言ってはいけないよ。坂本くんも充分、考えてのことだろう?」

「龍馬はそんな考え抜いて行動しないだろう。さしずめ、長州藩に名無しさんを預けるより、薩摩藩のほうがいろんな意味で安全だと踏んだ。その程度なんじゃないか?」

「い、いろんな意味ッスか?」

「ああ、長州藩だと下手をすれば名無しさんは、強引に高杉さんの嫁さんになってしまうかもしれない。その点、大久保さんのところなら、最初は名無しさんは大久保さんを苦手がっていたようだったから、心配はないと踏んだんだろう…。」

「その予測は大きく狂ったな、龍馬。」

「うちに来れば、俺だけじゃない。小五郎も油断も隙もないからな!」

「なっ!なにを言うんだ、晋作!」

「いんや〜。まっこと、その通りじゃ。まさか大久保さんと名無しが、そのようなことになるとは思いもしちょらんかったぜよ。」

「俺は多少は予見していたッス。最初から大久保さんは姉さんを、かなり気にしてたみたいっスから、こうなることは、必然だったのかもしれないっス!」

「なぬ?中岡っ!おんし、そのような後だしじゃんけんみたいなことを言うのか?」

「あとだしじゃんけん?坂本!それはなんだ?食い物か?」

「名無しが教えてくれた言葉だ。手で勝敗を付ける手っ取り早い遊びがじゃんけん。その勝負に、わざと相手の手が出るのを見てから、とっさに勝つ手を出すことらしい。」


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