Story

□雪合戦
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雪が深々と降り積もる睦月の後半。

ある里の換金所の外で1人誰かの帰りを待つ男が居た。

飛「あ〜…さっみィ!今日寒すぎんだろホント〜」

男の名前は飛段。S級犯罪者組織"暁"のメンバーの一人である。

彼は相方の角都が賞金首を換金してくるのを待っている最中だった。

飛「こんな雪の中任務とかマジありえねーぜ。てか角都のヤローはまだなのかァ?」

換金所の前に腰掛けている飛段はブツブツ文句を言いながら何気なく積もっている雪を手で少し握って丸めた。

飛「いつになったら止むんだろーなこの雪は……ん…?…雪」

飛段はふと何か閃いたかのように丸めた雪を見つめた。

飛「(…この雪を帰ってきた角都に投げたらどんな反応すんだろ。多分、キレんだろーなァ)」

飛段は角都はこれでキレるとわかっていたが、どんな反応を見せるか気になり、興味本位で帰ってきたところに投げてみようと思った。

飛「(まだかァ?遅ェな〜)」

そこへ、丁度良く角都が換金所から出てきた。彼は手に入れた金を数えながらこちらへ向かってくる。

飛「(へっへっへ、油断してやがるぜ)」

飛段はさっきよりも大きくした雪を金を数えている角都に目掛けて投げた。雪は勢い良く角都に飛んでいくが、角都は気づいていないようだ…

飛段は2個目の雪玉を作り出す。

飛「さーて、角都のヤローどんな反応するかnごふぉァッ!!」

突然飛段の視界が暗転した。

飛「んー!…冷ってェ…」

飛段は何故か自分の顔や身体にかかっている雪を払いながら起き上がる。

「手の内はバレバレだ、飛段」

飛「え?」

飛段が振り返ると、なんと先程まで換金所の入り口前に居た角都が自分の真後ろに居るではないか。

飛段が投げた雪に気づかないわけがない角都は、目にも止まらぬ速さで飛段の後ろに来て2個目の雪玉を作っている相方に雪を被せたのだ。

飛「へへっ、やっぱバレちまったか。でもよォ、今のは流石にひでーんじゃねェの?」

角「最初に雪合戦を仕掛けてきたのは貴様だろう飛段。オレはそれなりに対処しただけだ」

飛「なんだァ?やる気かァ?」

角「貴様がまた雪を投げるつもりならな」

飛「よっしゃああ!じゃあ雪合戦勝負と行こーぜ角都!」

角「…しかしお前はくだらん遊びが好きだな。まあ、仕方あるまい」


換金所前にて大の大人2人による雪合戦勃発。

2012.1.23

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