short story 仮

□血に恋した唇
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「じゃあさ、試してみる?」


血に恋した唇



『吸血鬼ぃ!?』

「うっさ」

『なに、いきなりっ』

「昨日小説見てたら、好きな人が実は吸血鬼だったーみたいなやつ見つけてさ。」

そう話すのは同じクラスで友達の光子。

『あーよくあるパターンじゃん』

「じゃあさ、例えばだけど…」

教室の中心には沢山の男女がいる。
その真ん中に居るのがクラスの人気者の西島隆弘。そして、私の好きな人。

『に、西島が吸血鬼なわけ…んぐっ!』

私は光子に口を押さえられた。

「声がデカい!」

そう言われ、私は声を小さくして言う。

『なんでそう思うのさ?』

「例えばって言ったでしょ!
でも、理由をつけるとしたら…」

光子は少し考えてから言った。

「男子なのに可愛いっておかしいじゃん」

『確かに…』

なんか納得させられた。

「だからさ、関口が確かめに行って来てよ」

『なんで私が!?』

「あ、行かないんだー。じゃ私が行こうかなー」

『……ダメ』

「はいけってーい」

『何したらいいの?」

「二人だけの場所で、《貴方って吸血鬼なの〜?》って言うの」

光子は天井に向かって手を伸ばしやって見せた。

『どんなシチュエーションだよ』

思わずツッコミを入れた私。

「とりあえず行ってきなって。私が呼んであげるから」

『…』

「放課後に体育館裏ね」

『…』

勝手に話を進める光子に私は声が出なかった

『も、し断られたら?』

「断るなんて許さないから」

光子…目がヤバイです汗

「絶対行ってよね!!」

『…はい』

ちょいまてよ、
放課後に体育館裏なんて 完全に告る子だと思われる!

『ねぇ、光子!』

光子は席に着き、音楽を聞いていた。

キーンコーンカーンコーン♪

『…あ゛』

うん、…マンガか。

諦めるしかない…泣
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