魔法界への旅立ち
□第6章
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窓に小鳥がさえずり、太陽が昇りきろうとした時
一人の男が寝台から静かにゆっくりと身体を起こした。
サラサラでしっとりとした長い銀髪と整った顔を持つ持つ男は
そして、男は何かを感じ取ったかのようにビクッと震え、隣の部屋に続く扉を見据えた。
嫌な予感がする。
大抵この予感は、あの騒がしい友人によることが多いが…
バタン!!
予感的中
遠くでドアを開ける盛大な音を聞き男は溜息をついた。
「おはよう!我が親友。
相変わらず遅いお目覚めだね〜」
慣れた手つきで次々と部屋から部屋への扉を開けながら、
喋り続けている赤毛の男はノックもせずにそのまま寝室の扉を開けた。
「うるさい。
朝くらい静かに出来ないのか」
「もうすぐ昼だけど?」
「…私は今起きた。
つまり私にとってはまだ朝だ」
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