魔法界への旅立ち

□第9章
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いつもと同じように香於里が本を読んでいたときのこと



珍しく暇なのかゴドリックが声を掛けてきた。


「なぁ、俺暇なんだけど…」


『…それで?』


「なんかないかな〜って?」



なんかって何?


『あ、そう』



「なんだよ、香於里までサラと同じ反応か?」


サラザールにも同じこと言われたんだ…


イライラしてたんだろうね〜、ゴドリックに。




何も言わない香於里にしびれを切らしてゴドリックが言った。


「確かに香於里はなんでも出来るけどな。


 あれは出来ないんじゃないか?」




私に出来ない?



『ゴドリック、何のこと?』


ゴドリックは私の顔を見て顔を引きつらせながら言った。


失礼な。


「箒だよ。飛行術」


『箒?』



そういえば、箒で飛んだことは一度もない。

それ以前に魔法界の箒に触ったことさえない。



黙り込む香於里を見てゴドリックは自信げに言った。


「なぁ、香於里。

 勝負しないか?


 
 この城を先に一周できたほうが勝ち」


『勝負って…

 勝ったら何か良いことあるの?』



ゴドリックは少し悩んで思いついたように言った。



「負けた方が勝った奴の命令を一個するっていうのはどうだ?」



ゴドリックのことだ…

私が負けたらとんでもないこといわれそうな気がする。


魔法の実験とか言って、猫耳つけさせられるとか。


もし、私が勝ったら何を…



そうだ!



『ゴドリック、それのった。


 今すぐ校庭行こう』




「決まりだな」



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