魔法界への旅立ち
□第10章
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創設者専用の書庫室&図書室には毎日朝早くから昼にかけてとじこもっている者がいた。
すぐ傍にある、開けられた窓から運ばれる風が黒い髪を揺らす。
太陽は空高くあがっていこうとしている。
その人物は昼間でもの凄い速さで膨大な書物を読み進めていく。
そして、同じ本を二度と読むことはなかった。
彼女は一度で内容を覚えてしまうから。
私がこの城に来てからもう1年が経った。
初めはどこか一線を引いていたグリフィンドールとはなんでも話せるほどに仲良くなった。
それに、あんなに印象が悪かったスリザリンもまるで幼馴染だったかのように仲良くしている。
杖もあれから少しすると返してくれて、なんだかんだいって、この城。
いや、このホグワーツを大切に思っているのだろう。
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