風光明媚

□拉致
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「…で、一旦ここに来たって訳か。」


リボーン君の言葉にあたし、綱吉君、獄寺、武君がうなずいた。

「いきなり探しに行ったりしなかったのは正解だったぞ。下手うってたら殺されかねなかったからな。」

リボーン君がニヒルに笑った。

「でも、なんで電話しなかったんだ?携帯渡したはずだぞ。」


たしかにあたしはリボーン君から携帯を受け取った。


「番号…竹寿司以外誰のも入ってない。電話かける人いないから。」


知り合いがほとんどいないこの世界では、電話を使う事などまずなかった上、獄寺の携帯の番号は聞くのを忘れていた。
電話帳を見ても、載っているのは勤務先の竹寿司だけ。


「とんでもねぇ事忘れてたな。」

リボーン君の言葉が頭に重くのしかかった。


「まぁ話を戻すぞ。アホ牛を誘拐したのは十中八九マフィアだ。今回の目的はアホ牛を誘拐することだけらしい。
これだけで分かることなんてたかが知れてんな。どこのファミリーの誰が何の目的でアホ牛をさらったのかがまるでわからねぇ。」

リボーン君が溜息をついた。

「顔から絞り出すにしても人数が多すぎて何十年もかかる。」

何も分からない。

全員、この世から太陽が消えたような顔になった。

そんな中で

「あのさ…多分、どこのファミリーか、くらいならわかるかも知れない。」

あたしは一つの可能性に賭けて手を挙げた。

「え!?ユズキちゃん、どこの人だか知ってんの?」

綱吉君が聞いてきた。


「知らないよ。」

「じゃあ、どうやって!?」

「犯人割り出すための鍵があるの。」

「その、鍵っつーのは…。」

リボーン君が何だ?って顔してこっちを見てる。

「ランボ君が誘拐された時、犯人が乗って逃げた車のナンバープレートから割り出せないかな。」

「なるほどな。」

あたしが注意してなかったせいでランボ君が誘拐されちゃったんだ。

あたしがランボ君の居場所割り出してみせる!




続く
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