風光明媚

□Babyの説明
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あたしのことを綱吉君やディーノさんよりも知っているという赤ん坊。

でも、まずこの子しゃべれんの?







…えーい、ものは試しだ!!



「その…導く者って何ですか?」
あたしは尋ねた。




すると、赤ん坊は口の端をクイッと上げて笑った。




…初めてこんなクールに笑う赤ちゃんを見た。

「お前が山原ユズキか。」
…こんなすらすら日本語話す赤ちゃんも初めて見た。

「あ、はい。」
思わず敬語になってしまう。…赤ちゃんなのに。

「本当に分かってねーのか?」

「…。」

そう言われると、分からない…という言葉が出てこなかった。


「かつて…ボンゴレT世の時代に異世界から来た女がいた。」


赤ちゃんは話し始めた。


…異世界から来た人?
ボンゴレ…T世?誰だ?


「その女は医療、兵法に長けていてT世ファミリーのために生涯尽力し続けたそうだ。
そいつは死に際に 我の意思を継ぐ、風の導き手となるものが後の世に現れるだろう…。 と遺言したらしい。」




風の…導き手…。何故か懐かしく感じた。



「しかもそいつが書き遺した文献には、風の導き手となる者はファミリーがいる場所に最も近い水の中に落ちてくる…って書いてあった。並中のプールなんてぴったりじゃねーか。」



えーと…つまり…あたしはそのボンゴレファミリーの風の導き手で…?



「もうひとつ、書き遺されていたことだが…代々風の導き手は己の役目を理解していた。…これはお前には当てはまらないな。」



そうだ、当てはまらない…。

イヤ、ナニヲイッテイルノ?

――ズキンッ!!!

「っ!!」

あの頭痛が再び襲う。

あたしの口が勝手に開いた。


「ファミリーに新しき風を吹きこみ…

 時には勝利をもたらす神風、
 
 ファミリーの者たちを癒やす優しきそよ風をも誘い込む…風の導き手。」


「理解してんじゃねーか。間違いねぇな、お前は風の導き手だ。」


その言葉を最後に、再び意識を失った。
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