風光明媚

□うん。ひとっつもわかんない。
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「ちょ…。それ、どゆこと?あたし、ひとっつもわかりません。」
そう、すべて。
ホントに、なにもかもわかんない。


「うん、そうだよね…。いきなりこんなところに来ちゃったんだもんね…。
とりあえず、プールから上がろっか・・。」



そうだった。あたしは体の約4分の3水につかりっぱなしだった・・。

言われてプールサイドに上がるあたし。

ここでの季節はよくわかんないけど、気温からして秋の終わりくらいだろうか?

風が冷たくて、寒い。

「大丈夫?」

そう言ってスーパーサ●ヤ人・・じゃなくって沢田綱吉君はあたしにジャージの上を貸してくれた。

「ありがとう。」

とりあえず、あたしはお礼をいった。

「いいよ、気にしないで。」

綱吉くんは言ったけど、

ジャージ貸してもらってるしな。

「あの…。それで、あたしがここにいる理由って…。」

「あ…あぁ…うん、そうだよね…。」
綱吉君、真剣そうな顔をしてる。

「俺、言ったほうがいいか迷ったけど・・やっぱり真実だから言うね。
元の世界にいたはずの、山原ユズキ…っていう人間は…多分死んでる。」

あたしの頭は、真っ白になった。

「う…っそ。」

そこで、綱吉君がうん、とかホントだとか言ってくれたらまだ楽だったかもしれない。
でもそこにあるのは嘘なんかじゃないっていうことを肯定している沈黙だけだった。

しばらくして、また綱吉君が口を開いた。

「もちろんこっちに君はいない。君は、<この世界の人>じゃないんだ。」

理解できない。
理解したくもない。

「じゃあ、あたしはいったい何なの?」

声が震えて、出てきた言葉はそれだけだった。

「君は…ユズキちゃんは俺達の未来を照らし出して進むべき道を示してくれる大切な道標。
そのために、この世界に送りこまれて来たんだ。
これが、君がこの世界に来た理由・・だよ。」


わからない…。
あたしはそんなこと分からないよ…。



イヤ、シッテルヨ。
キミハ、シッテイル。
ボンゴレノ…――ノレキシノイクツカハ…ネ。


そんな声が、まだ混乱してるあたしの頭に響いて。





「…っあッ!!」

ズキッズキンッ……ズキンッ


そして、直後にあたしの頭を襲った激しい痛みにあたしは意識を手放した。



「ユズキちゃん!?」
「ユズキ!!!」


・・・遠くに、今日出会ったばかりの彼らの声が聞こえた。
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