風光明媚

□真逆の二人
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「あたしたちが恋人ってことを今から実際に証明するんで、あなたはあきらめてくださいね。」

あたしは、獄寺の横に進む。

「これでどうですか?」

あたしは獄寺の顔をこっちにむける。

「ごめん、びっくりしないでね。」

獄寺だけに聞こえるような小さな声で言って、



チュ。



獄寺のほっぺに口づけた。

「「へ?」」

うざ男と獄寺の声がハモる。

獄寺は、声を上げた以外にびっくりしたようなリアクションを見せることはなかった。


あたしが言ったとはいえ、すぐ落ち着きを取り戻すのはすごい。

・・・いつもより眉間にしわ寄ってるけど。





親父さんが口笛を吹いた。

・・・この状況でからかわないでください。




「・・・あたしは恋人でもない人のほっぺにキスなんてしません!これで証明できました!あきらめてください!!」


あたしの顔、絶対赤い。
下向いてるけど、腕まくりして見えてる腕でさえ赤い。



「信用できないよ。諸外国ではほっぺの口付けは挨拶だからね。挨拶だろう?そうなんだろう?」

「日本人の挨拶はお辞儀とおはようございます、こんにちは、こんばんわのどれかです!!」

「もしかしたら君は日本人じゃないかもしれないじゃないか!」

「心から言います。あたしは日本人です。」


「とにかく!僕は君とこの男が恋人だなんて断じて認めない!君は僕のスウィートハニ―だ!!」





ガンッ!!


獄寺が、我慢の限界を迎えて近くの机を殴った。


「てめー、いい加減にしやがれ!!うっとおしいにもほどがあんだろーが!!」


ひくりと、うざ男の喉が動いた。

獄寺にビビったらしい。



「確かに俺はこいつの恋人なんかじゃねぇ。だが、こいつがお前に迷惑してるってのは確かだ。
分かったらこいつと俺の前から消えろ。もう二度とそのむかつくツラ見せんじゃねぇ。」


うざ男はものすごくビビったらしく、よたよたしながら竹寿司を後にした。







おわった・・・。ようやくこのストレスから解放された・・・。



あたしはほっとして、息を吐いた。






「獄寺、もやしいため+味噌汁とご飯も付けるね。」

「・・・結果的に300円くらいで収まるじゃねーか。」



獄寺の声は疲れていた。








続く
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