風光明媚
□医療
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なぜだ。
なぜ、豚さんは私の前で横たわっている?
なぜ、あたしは白衣を?
なぜ、手術?
現在、私はリボーン君につれてこられたこの場所で、豚さんの手術に臨んでいる。
理由は、
「医療に関しては実際にやってみた方がいいから。」
豚は人間と体のつくりが似ていて、練習にはもってこい・・・らしい。
いざメスを持ってみると、怖くてしょうがない。
今は麻酔をかけられているだけの豚さんに、刃をつきたてるのだ。
一歩間違えればこの豚さんはあの世行き。
「落ち着いて、深呼吸しろ。」
横にいるリボーン君がそうアドバイスしてくれる。
ゆっくり目を閉じて、深呼吸した。
豚さんにメスを入れた。
「なかなかメスの扱いがうめぇぞ。」
リボーン君が、豚さんの手術を終えたあたしに声をかけてくれる。
「昼間に魚さばいたからかな・・・。」
だいぶ集中力を使って精神的に疲れたからか、返事は少しよわよわしいものになってしまった。
少しずつ眠気がやってくる。
意識はあっという間に夢の中へと引きずりこまれていった。
「寝ちまったか・・・・。」
それからしばらく、寿司屋でのバイトとリボーンによる医療技術の指導が毎日続くのだった。