風光明媚
□左斜め下
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「ユズキ!!」
そばにいた獄寺が叫んだ。
「ユズキちゃん!!」
綱吉も、叫ぶ。
その声で、仲間が皆ユズキのもとに駆け寄った。
「そんな・・・。」
クロームが呟く。
「なんで・・・武器も持ってないのに・・・どこから銃が・・・。」
それはこの場にいる者のほとんどが思っていることだった。
「ひゃっひゃっひゃっ・・・ボンゴレのガキども!!大人をなめるとこうなるんだ、その嬢ちゃんの死体をよく目に焼き付けとけ!!お前たちもすぐにそうなるんだけどな。」
セルロが勝ち誇ったように言い放った。
「うるせー。」
獄寺が、ぼそりと言った。
そして、ゆらりと立ち上がる。
「おい、そこの腐れじじー良く聞け。
確かに俺たちはガキだがな・・・
ボンゴレファミリーのガキだってことをよく覚えときやがれ!!」
獄寺勢いよく大量のボムを投げた。
セルロから10mほど左に離れた地面に向かって。
ドガァァァァン!!!
地面が抉れ、爆発したところに開いた大きな穴に銃を持った男が倒れていた。
「てめーが散々ガキだなんだと馬鹿にしたユズキも、ボンゴレの風の導き手だ。
そう簡単に3流ファミリーにやられる訳がねぇだろ。」
獄寺はしゃがんでユズキの頭を軽くはたいた。
「まぁ・・・弾かすったけどさ・・・。」
ユズキはゆっくりと立ち上がった。
「獄寺があたしの口パクでスナイパーに気づいてくれたし、それより後ろに倒れた時が結構痛かったわ。まさか石が頭に刺さるなんて・・・。」
ユズキは、頭をさすりながらにっこり笑った。
「セルロ、あんたこそかわいそうなスナイパーさんの姿をしっかり焼きつけときなさい。
あんたもすぐにそうなるんだから。」
次の瞬間、セルロに綱吉の強烈な拳が炸裂した。
「ね?子供をなめるからそういうことになるんですよ、セルロさん。」
気絶したセルロに、ユズキは言った。
直後、お前が倒したみたいに言うなとユズキは獄寺にしばかれたのだった。
続く
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