風光明媚
□偽彼氏
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「…というわけでして。」
そう言ってため息をついたユズキの顔はやつれていた。
周りの雰囲気も心なしかどんよりと濁っている気がする。
「それでわざわざうちに…。」
ツナは納得したように頷いた。
「お前を好きになる物好きがいたんだな。」
「あんたが突っ込むとこはそこですか…。」
獄寺の言ったセリフにも、ユズキの反応はよわよわしい。
「彼氏いるとか何とか言えば良かったんじゃねーか?」
リボーンが口をはさむ。
「ぜったい…連れてこいって言うし…。」
あたしに彼氏なんていないもん―――!と、ユズキはさらに落ち込んでいった。
「そもそもこっちの世界、知り合いがほとんどいないし!」
確かに、ユズキの知り合いは沢田家の居候とボンゴレの守護者、あと一応ディーノと竹寿司の常連だけ。
頼めそうな人などいるのだろうか。
「いるじゃねーか、適任。」
リボーンはニッと笑ってツナを見た。
ツナは視線を『適任』に向けた。
「獄寺君…ユズキちゃんの彼氏役…やってくれないかな。」
「「へ!?」」
獄寺とユズキ、二人の声が重なった。
続く