幸福論

■04
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長ぁ〜い入学式も終わり、教室に戻ると1時間だけクラスで過ごす時間がある。それが終われば今日は帰れる。何するのかなーと思っていたら、担任の先生が自己紹介をしようと言い出した。


「まぁ、定番だけど、はじめましての人も多いと思うし明日から、こういった時間はなかなかとれないと思うから」


名前、出身中学は絶対言って、後は好きなものでも入りたい部活でも何でもいいよ、とのことで、はじに座る4人がジャンケンし、勝った人から回ることになった。

みんな結構適当に流す。名前と出身中学言って、好きな食べ物だとか、嫌いな教科だとか。まぁ高校生にもなれば、そんなもんか。

あたしの番も、


「みょうじなまえです。桐青中学から来ましたー。バスケ部マネージャーする予定です。よろしくお願いします」


と、まぁこんなもんでしょ。

とりあえず1周して、先生が軽く自己紹介したところで、


「あ、配布するプリント教官室に忘れてきた!ちょっと雑談してて」


と、先生が教室を出ていった。途端に室内はざわつく。あたしも友達と話そうとしたら、隣の席の男子が話しかけてきた。


「なぁ、みょうじって桐青なんだよな?で、バスケ部志望ってことは、宮地知ってる?」
「え、」
「あ、オレ木村ってゆーんだけど、オレも中学んときバスケ部でさぁ」


これが、あたしと木村のファーストコンタクトだった。

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