□爽やかな殺意
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「なぁ、」
「んー?」
「俺がお前を殺したいって言ったらどうする?」


ある夏の日。静雄ん家でまったりしてたら、突然の爆弾発言。


「…は?」
「…わり、やっぱなんでもねー」
「いやいや…」


セミの声が急に聞こえなくなる。

…あたし、静雄に何かしたっけ?


「え?ごめん?」
「いや、別にお前は悪くねーよ」


俺がオカシイんだ、と静雄は呟く。
完全に自分の世界。


「どーしたんよ?」
「……、どうしたら、」
「どうしたら?」
「お前が俺だけのモンになるかと思ってよ」


びっくりした。普通にびっくりした。
静雄がそんな独占欲をあたしに抱いてくれていたことにも、それを突き詰めてあたしを殺したいって結論に至ったことにも。


なんだろう。多分、純粋すぎるんだ、静雄は。

純粋すぎて、狂ってる。


そして、それを少し嬉しく思ってしまった自分も狂ってるんだろうなぁ。


机の上の麦茶の入ったコップの中で氷がカラカラ溶けた音がした。
なんか、あたしたちを笑ってるみたいだった。


爽 や か な 殺 意
(臨也に言ったら爆笑されそう…)

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