鬼徹

□第八話
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やっと仕事にも慣れてきたなと思ったんだけど…

「蕃茄さん、またここミスしてます」
「す、すみません!」

朝から何回謝ったかわからない。言い訳はしたくないが、調子がおかしい。

「今日は失敗が多くないですか?…なんか様子が変ですよ?」

鬼灯様にも心配されて、一応否定しようと思ったが、

「いやあの大丈ぶ…あれ?」
「蕃茄さんっ?!」

珍しく焦った鬼灯様の声を聞き終わる前に、あたしは倒れてしまった。




「あ、この子が仕事中に熱で倒れたの?」
「そうです」

鬼灯様の声にふと気が付くと、ベッドの上にいるみたいだった。
おでこには定番の濡れタオル。
後で絶対怒られるだろうな、と思ったが、今はタオルの気持ち良さに任せてグッタリしてよ。

「じゃまずは診察…ホクロの数から」
「なんの診察するつもりですか?」
「んー…発熱についてかな?」
「では、全身のホクロの数と発熱の関係性を100文字以内に説明出来たら許可しましょう」
「ちょ、しないでください!絶対関係ないです!」

鬼灯様と誰かの会話をぼんやり聞いていたら、起きざるを得なくなった。

「あ、蕃茄さん。目が覚めたんですね?」
「もう少し寝てて良かったのにー」
「あぶねーっ!起きて良かったーっ!危うく知らない人に自分でも知らないホクロまで数えられるところだった…!」
「部下のことを知るのは大切です」
「あんたもノリノリかよ!……なんか熱が上がったような…」
「叫ぶからだよ」
「いやだって貞操の危機感じたから…って、そう言えば貴方誰ですか?」
「僕?僕はね、天国で漢方医してる白澤。中国の神獣だよー」
「え、じゃあ、めちゃくちゃ偉い人ですか?」
「いえ。ただのエロい人です」
「なんでお前が答えてんだよ!一応、中国の妖怪たちの長って言われてるんだけど…」
「ぬらりひょん?」
「それは日本ですよ」
「…まぁこれくらい話せれば大したことなさそうだから、この薬を毎食後に3日飲んでね」
「ちゃんと薬ですか?」
「…薬じゃないやつ置いていこうか?」
「すいません嘘ですごめんなさい」
「白澤さんは頭はおかしいですが、腕は確かなんで心配しなくていいです」
「あ、そーなんですか」
「失礼なやつらだなー。お代は、」
「嘘をつくな」
「へぶっ!…まだ何も言ってないだろ!」

…鬼灯様、さっきから容赦ないな。
この2人の力関係ってなんなんだろう…。

「じゃあ、僕はもう帰るから」
「あ、ありがとうございました!」
「今度は蕃茄ちゃんが元気なときに2人で会おうね」

そう言って、白澤さんは帰っていった。

なんかいじられキャラなのかなーと思ったら、好感度はちょっと上がったような←

「もう仕事中に倒れたりしないで下さいね」
「本当にすみません!」
「まあ、今はゆっくり休んで下さい。元気になったら…わかってますよね?」
「…はい」

今すぐにでも仕事に復帰したくなったのは言うまでもない。



上司と発熱→変態漢方医登場

(あと、あんなやつに2人で会ったら妊娠しますよ)
(え…どういうことですか)

そして鬼灯様によって、白澤さんの印象は最悪になった。




―――――――
定番ですが"偉い→エロい"っていうボケが好きです。

原作沿いなら桃太郎たちが先なんだろうけど白澤出したくて仕方なかったからフライング。
でも早く桃太郎も書きたい!


→おまけ
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