書物

□息をする。
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息をする。

息ができない。水の中で。
苦しい。死ぬかも。
沈んでいくのが体で感じれる。
嗚呼ーもう死ぬのか。
もっとやりたいことがあったはずなのに
いままであったことがまるで走馬灯のように流れた。
まるで長い夢でも見ていたかのようだ。

そこで意識がとんだ。

     ゴボッーー――

「センパーイ・・・センパーイ・・・生きてますかー?」
目が開いた。視点が定まらない。間の前でゆらゆらと揺れるのは翠色の髪。
「…うっ、ゲホッゲホッ・・・」
「えー大丈夫ですかー・・・?」
「はぁ、はぁ、・・・あ・・・れ?」
ベルはフラフラとベットから降りた。
「まだ動かないでくださーい。今度こそ死にますよー?」
(あ、生き てる・・・)
ベルはフラっとベットにへたり込んだ。
「ホントにー無理しないでくださいー。」
「な、なんで生きてる・・・?」
「なにいってるんですかー意味不なんですけどー」
「溺れてて…それから・・・」(思い出せない。それからどうなったかを。)
「ミーが助けたんですよー。センパイが苦しそーうに、溺れていたんでー。
 ほんとにー瀕死だったんですよー。息が無かったんでー死んだのかと思いましたー。」
(え・・・?カエルが?)「え・・・?」
ベルはほんの少し赤くなったと同時にベットにもぐりこんだ。
「あれぇー?大丈夫ですかー・・・まだ、しんどいのですかー・・・
  なんなら、ミーが人工呼吸でもしましょーか?」
「べ、べつにいいしっ!大丈夫だしっ!」
「ならいいんですすけどー・・・」
そうすると、フランは、ベルに顔を寄せた。
「な、なんだよっ!」
「べーつーにーなんでもー。」
そしてフランはベルにキスをした。
そのときベルがどんな顔をしていたのだろうか?

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