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□桜
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今日は村塾が休み。
春とは言え、いまだ寒く感じ、銀時は布団に潜り込んだままだった。
何度か松陽に起きるように促されたが、無視を決め込んだのだ。


ぬくぬくと幸せな夢の世界に浸ろうとしたときだった。
突如、掛け布団が取り払われた。
それにより夢から現実世界へと呼び戻されてしまった。


「おい、銀時。花見をするぞ!」


花見?と目をゴシゴシと擦りながら、声をかけてきた人物を見る。
そこにいるのは桂小太郎。
聞き覚えのある声だし、突拍子もない言動なので予想はしていたが。


「花見ってさぁ、庭に桜があんじゃん」


「うむ。だから庭の桜を愛でながら、家から持ってきた桜餅を貴様と食べようかと」


「桜餅!?てめぇ、早く言えよ!!」


甘味好きな銀時にとって、桜餅は見事な誘い文句となった。
騒がしくなった部屋を不思議に思ったのか、松陽が現れた。
銀時が着替えている間に、小太郎は挨拶と事情を説明し、了承を得たのだった。
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