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□涙
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おはよう、と声をかけて・・・と銀時は考えたプランを頭の中で繰り返す。
松陽から貰った刀をギュッと持ち直し、何度も何度も繰り返す。
教室に向かって歩いていると、反対から小太郎と晋助の姿が見える。
俺から挨拶を!とつばを飲み込み、少し早足になる。


「お、お、お・・・」


「おぉ、銀時!おはよう!!」


自分の挨拶を小太郎に遮られてしまう。
晋助は何も言わないが、一睨みを貰ってしまった。
結局、先手を取られた銀時だった。


「あぁ・・・おはよ」


小さな声ではあったが、たしかに銀時は挨拶を返した。
それが小太郎に届いたらしく、一瞬キョトンとした表情を見せた小太郎は笑顔を見せた。
その笑顔は銀時にとって、とても眩しかった。


「おい、晋助!銀時が挨拶をしてくれたんだ!!」


自分の挨拶で小太郎は喜び、わざわざ自分の席に座っていた晋助のもとにまで行き報告までしている。
ここまでの反応をされるとは思ってはいなかった。
だが、小太郎の笑顔を見れたことが、銀時にはとても満足できた。
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