拍手ありがとうございます!
お礼文はロク+熱です。










【ヘレティックの言い分】



…幸せかって?
そうだね、周りの人はみんなボクのことを知ると口を揃えて「可哀想に」とか「さぞかし辛い思いをしているんだろうね」とか言ってくる。
そういう人は大抵ボクが一人で全ての宿命を抱え込んで、苦しい道を歩いているんだと勝手に想像して思ってるだけ。
キミもそういうことを口には出さなくても頭の中で思ってたりするんでしょ?
現に「あなたは幸せ?」だなんて質問してくること自体ボクのことを上から見て哀れんでいる証拠だもの。
誰だって完璧に満たされたらそれが幸せだと思う?
誰しもそれぞれの幸せの価値観があって、その価値観が違うからキミはそんな質問をしたんだよね。
キミの為にもはっきり言っておくけど、ボクは生まれてから一度も自分は不幸せだとは思ってない。
だって同じ場所にいて、同じ風景を見て、同じ時間を過ごせる…そんな当たり前なことが実現できなかったボクにとって、今というのはかけがえのないものなんだよ。
不幸せ、と思う方がおかしい。

…けどたまに、本当にたまにだけれど、ふと悲しくなる時はあるよ。
なんであの子と同じ世界にいられないんだろうって。
いつかはあの子の世界が終わるとしても、ボクの世界は歯車が抜け落ちてしまったかのように止まったままでずっと動くことも進むことも、そして終わることもない。
ああけど歯車が錆び付いてボロボロになったらきっと終わりを迎えるだろうけど、それはあの子と同じ終わり方ではないんだろうね。
せめて、あの子の世界が終わる時はボクも一緒に終わりたい、だなんて。


「ロックマンどうしたんだよ?まじめな顔しちゃってさ」


…あの子は、熱斗くんはいつもボクがそうやって考えてるときに声をかけてくれるんだ。
泥沼から引き上げてくれるかのように、暗闇を照らす陽光のように。
そうやってくれるから、ボクはまだどうしようもないこの世界に留まりたいと思える。
限られた時の中でしかない幸せなんだとしてもボクはそれでいい。
それだけでいい。


「何でもないよ、それより熱斗くんまり子先生から出された宿題やったの?」
「せっかく心配してやってんのにロックマンは宿題の心配かよ!」
「やってないままで明日後悔するのは熱斗くんなんだからね」
「はいはい、分かってるよちゃんとやればいいんだろ。…そういうところは抜け目ないのな」
「当たり前でしょ」
「………」
「こっち見たって駄目」
「……………」
「…もうそんな膨れっ面してないで、少し手伝ってあげるから、それでいい?」
「やた!サンキュな、ロックマン!」
「今回だけだよ」
「…そんなこと言ってもまた手伝ってくれるくせに」
「熱斗くん、何か言った?」
「いいい、いや何も!」


キミには他愛のない会話くらいに見えるのかもしれないけど、これがボクの日常であり、そして生きていく為の糧なんだ。
きっと恵まれているキミにはこの価値観がいつまで経っても分からないだろうけど。
それでもいいよ、この気持ちはボクだけしか知り得ないものだから。
知らなくても、知ってほしくもない。
…そういえばキミの質問の答えがまだだったね。


ボクは今とっても幸せなんだよ。


(その代わり「僕」は「ボク」として生まれ落ちた罪を背負い続ける)
お粗末様でした<(_ _)>


感想、コメントはこちらから



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ