主。

□第五章
2ページ/15ページ

「「ごちそうさま…」」
グレイくんと秋ちゃんは同時に食べ終わった。


そして椅子から立ち上がり、ひきつった笑みを浮かべながら、桜に
「終わったらボクの部屋に来てね」
と言い残しふらふらと去っていった。


桜は訳が分からず、テーブルに残る6人を見回すが、答えを教えてくれるものはいなかった。








そのあと、少し早めに食べ終わった桜はグレイの部屋へと急ぐ。
食堂からは少し離れている彼の部屋に入るのは初めてではなかったが、それでも少し緊張する。

ドアをノックして、一応声をかけてから中に入る。



「あ、来たね桜ちゃん。早速で悪いけど、今から出かけようか」

すでにお洒落な外着に着替え、外出する準備万端な二人に迎えられる。
しかしその表情は決して明るくない。


「あ…あの、どうした…んですか?」
気になるので聞いてみる。
すると、


「あー…うん、ちょっと怒られちゃって、ね」
と曖昧な答えをくれた。


きっと言いづらいことなんだろうと勝手に推測を立て、桜はふぅん、と納得したような返事を返す。


「多分待ち時間が結構あると思うから、なんか暇つぶしとか持っていくといいよ」
秋ちゃんが言ってくれたけど、こんな時間から呼び出して待ち時間ってなんだよ!と思う。


でもまあ何を持っていけばいいか分からないというか、自分の物は必要最低限しか持っていないので、携帯を持っていくことにした。


「どこに行くの?」
と聞けば、
「…偉い人の所」
と教えてくれた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ