主2。

□番外編・煙草
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ここは白嬢の住む皇居第四邸の屋上。
大日本帝国の政治をほぼ100%行っていると言っても過言ではない、東京都。
その一角にある所。


他の公邸とは違い、第四邸は小さい。
もとは使用人の住み込み場所だったとか。
そんなところに皇女を住ませていいのか、とか疑問はたくさんあるが、俺の様なただの使用人にはそんな事を聞くわけにもいかず。




麗譲瑠丸。17歳。
一般的には大貴族と言われる麗譲家の六男。
上の兄たちの出来が良かったうえ、正直勉強にもその他何事にも興味を示さずやる気を出さなかった末の息子に両親は勿論、兄たちも呆れを隠さなかった。
結局名門と名高い鳳凰学園を中退し、実家にも全く顔を出さず絶縁状態となる。
その後いろいろあり、要約すると鳳凰院白に拾われ、使用人として働くこととなる。





「あ〜…」
意味は無いけれど、なんとなく声を出してみたくて五十音の最初の音を発してみる。
しかしその溜息か言葉かも定かではない言葉に返事をするものはいない。
まあ、むしろ当然である。ここには麗譲瑠丸を除き誰もいないのだから。
むしろ返事をされたらびっくりするくらいだ。


おもむろに胸ポケットから煙草の箱を取り出し、1本手にとりそれを咥える。
そしてライターを手に取り、火を付けてまたポケットに戻す。

もう一度言う。

麗譲瑠丸、17歳である。
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