主。

□第三章
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戸惑っていた時、さいがが部屋から出てきた。
―――右目には、病院でもらうようなガーゼの眼帯をしていた。

「…改めて、鷹大路さいがです。
 今日はこの『柊』を案内します」

むすっとしながらそんな丁寧な口調で言われたら、どう返せばいいか分からない。
そんなにあからさまに嫌がらなくてもいいのに…。

「よろしくね、えっと…さいが、くん?」
少し変わった名前だな、と思いながら言葉を返す。

無言で頷いて、ポケットに手を突っこんだままカツカツと靴音を立てて進むさいがくんを、慌てて追いかける。

どうやら、上の階に上がるようだ。
ほんとにエレベーターとか無いんだな、とか思いつつ後ろをついていく。

2階かと思いきや、更に階段を昇っていく。
どうやら目的地は3階らしい。
3階は自分の部屋と「社」、「さえのへや」だったハズ…。「社」くんは出ていったから、「さえ」ちゃん?

と推理してみたりする桜だった。
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