主。
□第一章
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これは、少し前の話。
大日本帝国第一皇女である鳳凰院白と、葬送組織花嵐に所属する梓木溜が、昔交わした会話の一部である。
「『もう一つの王族』う?」
間抜けな声をあげたのは、サラサラの黒い髪を伸ばした梓木溜。
「うん。なんかそんなの聞いちゃったらさ、調べるしか無いじゃん?暇人のボクとしては」
気楽そうに話すのは、鳳凰院白。ちなみに女の子。
「自分で暇人って言うなよな…」
呆れたように言う溜のことは意に介さず、といった風に、白は話を続ける。
「そしたらさ〜、予想以上だったんだよねえ」
「予想以上?」