主。

□第四章
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見れば見るほど2人がお似合いのカップルに見える。

グレイくんは誰がどう見ても美少年!正直、普通に生きててもそうそうお目にかかれないような、繁華街を歩いたら絶対声をかけられそうなくらい美形。足も長くて、ファッションのセンスもいい。なんか、いい所を最大限引き出してるって感じ。特に細身のパンツがもともと長い脚を更に長く…ってどれだけ足の長さに食いついてるんだ、私。

秋ちゃんも、誰が見てもかわいいって思うような女の子。なずなちゃんとはまた違った可愛らしさがある。少しカールさせた肩までの黒いボブヘアーにピンがアクセントになってる。服もポップな原色が良く似合ってる。


…ほんと、美男美女って感じ。




「どうしたの?桜ちゃん。ボーっとしちゃってさ」
秋ちゃんに声をかけられた。
そんなにアホ面してたんだろうか。


「ううん、なんでもない。
…2人があまりにもお似合いで、すごいなーって思ってたの」

「「お似合い?」」
おお、ハモった。


「え?それはボク達がお似合いのカップルってこと?」
何故かすごく笑いを堪えられてるような気がするんだけど。

「?そうだけど」

「ふふっ…あはははは!!」
「くくく…」
なんか大爆笑されてしまった。何故…。


「あはははは…もう…笑わせないでよっ…桜ちゃん…!」
「…ホント、っフフフ」

「え?何、そんなに私おかしいコト言った?」

すると2人は目配せして、何か面白いことを試みる小学生の様な表情を浮かべる。

「んーん!なーんにも言ってないよ〜!」
といってグレイくんの腕に抱きつく秋ちゃん。
「そうだよね」
その秋ちゃんの頭を撫でるグレイくん。


やっぱりカップル…だよね?



「ねぇ、そんなことよりさ、買い物行かない?その服、なずなちゃんのお下がりでしょ?やっぱ服はサイズぴったりなのがいいよ!」
生き生きしている秋ちゃん。
やっぱりファッションとか興味あるんだろうな…。私とは生きてる世界が違うと思う。

「そうだね、柊だったらロクなもの無かったんじゃない?他にも生活に必要なものとか、買わなきゃいけないんじゃないかな」
グレイくんがもっともなことを言った。

…確かに、スウェットとケータイしか私物が無いって言うのは問題じゃなかろうか…。
というか、気付かなかった私が問題じゃなかろうか。


「決定だね♪」
とても嬉しそうに私の腕をとって駆けていく秋ちゃん。その足の速さに追い付けなくなって酸欠状態になるのは、もう少し先の話。
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