ハレンチなヒバツナSSを書いております。
18歳以上さん向けばかりです(//◜◒◝//)
踏み絵代わりに一作晒しておきます。
ご趣味が合いましたら、仲良くしてあげて下さい//////































Q、誰しもが持っている小さなちいさな箱の中。
時として爆発的な揺れを沸き起こす感情のひとつ、怒り。
こいつが真っ赤に燃え滾って身体の中へじわりじわりと広がっていく時、心は、身体は。何を失っていくのだろうか。








かの孤高の王様は言いました。
体内を流れる炎を発現させるのに必要な覚悟、それすなわち【むかつき=怒り】である、と。
鬼神。鬼才。類い希なる戦闘狂。切れ長の冴えた瞳に、不機嫌そうに引き結ばれた口唇。己と、それに拮抗しうる実力をもった相手の命を天秤に掛けてはじめて、やっと成立する“お遊び”の最中にだけ。キラキラと輝く、磨き抜かれた黒曜石と、黄色人種とは思えぬ白皙に浮かぶ寒椿を連想させる艶やかなる紅色の薄い唇が、今、この瞬間もゆるく弧を描き、かの人の機嫌がすこぶる良好であるコトを、俺に教えてくれている。

ギシギシと音を立てる安いパイプベッドでも、スプリングのよくきいたベッドでもなく。
寝るためだけの部屋。小物箪笥すら置かれていない和畳の上に、唯一、ふんわりと敷かれた寝具一式。何も纏わぬ身には殊更さらりと心地良いリネンに覆われたそれの上。黒の夜着を纏って身を横たえているあの人の傍らに、俺は居る。
ふぁぁと欠伸をするでもなく、部屋を照らすぼんやりとした月明かりを瞳に集めるでもなく。ただ横たわっているヒバリさんの顔を覗き込む。
なぁに、と。
静謐に満ちていた部屋の空気を揺らした、穏やかな囁き。
いつもより掠れて低いから、もしかしたら眠いのかもしれないな、と思って。でも別にいいや、明度の低い室内、出来うる限り目をこらして漆黒の人を見つめる。
眠いですか、なんて訊かないよ。訊くわけないじゃん。だってこの人、天の邪鬼だから。素直じゃないの。

「ヒーバリさん」
「うん」
「寝ちゃダメですよ」

フッと空気が揺れる音の後、だらりと放られていたしなやかに逞しい腕が俺に向かって伸ばされる。
ついさっき、きっちり着込んだはずなのに。乱れ知らずなヒバリさんの黒い夜着とは正反対、早くも片肩から着物がずり落ちて鎖骨から肩にかけて晒されている素肌を、撫でられた。

「なら、僕が寝ないようにキミががんばりなよ」

俺はヒバリさんと違って素直だから、こくんと頷いて返す。

「はい」

俺に向かって伸ばされた腕に促されるまま。
横たえられた身体の両脇に腕を突き、身に纏った夜着の裾をはしたなく割って足を開いて。ゆっくりとした動作で跨がった。
四つん這いになって、覆い被さろうとする俺。跨がられているヒバリさん。
ではでは、いざ。……って時に、素直じゃないヒバリさんは、俺の肩にまでさっさと布団を引っ張り上げてバサリと掛ける。
そりゃないよ、と。思わず俺の首ががっくり項垂れると、真下からくすくす笑い声。
むむむ、と呻りながら。無邪気ないたずらっ子は居候だった小さいランボだけでじゅうぶんですよ?

「ねぇ、シたくないの、アナタ」

真っ白いリネンに散らばった洗いざらしの黒髪を指に絡ませ、くるくると指に巻き付けながら。
(昔はまん丸だった)頭を抱きかかえてくしゃくしゃと髪をまぜかえす。止めなという制止の代わりに、いつの間にか首筋に回された腕に引き寄せられる。
キスの催促をするように。誘われるままに近づけば、ぺろりと口の端を舐められた。

「怒った?」
「…ヒバリさんは、俺に怒って欲しいんですか」
「うん。怒った時のキミの目、見たくなった。それにアホ面も見たかったんだよね」

たった、それだけで。
自身の肌がヒバリさんで濡らされたと、そう認識しただけで。
カッと体温を上げてしまう俺の皮膚を親指で撫でつけ、かの人は狡獪そのものな笑みをたたえる。

「ほら、早く僕をその気にさせてごらん」

ヒバリさんが舐めて湿らせた箇所を、自分の舌でもぺろりと舐めて。
あっという間に室内の空気に蒸発して紛れてしまったけれど、確かに俺のココは、ヒバリさんに濡らされたのだ、と。この皮膚はかの人のそれを受けて、吸い込んだのだ、と。
怠惰を極めて横になったままの人から、ちゅうっと音を伴ったキスを貰って。首に回っていたはずの腕が、いつの間にか俺の身体の中心をやんわりなで回す。すっかりその気になって緩く首を擡げ始めている杭は、気が早すぎるだろってくらいせっかちに雫を垂らし、トランクスの中にまで無遠慮に入り込んだヒバリさんの指と絡んで、何ともいえないくちゅくちゅという音となり、布団の中から聞こえてくる。
俺の肌にはヒバリさん。ヒバリさんの指にも俺の欠片。
過度な動きではなく、ゆるくゆるく動かされる指に、脳髄が溶かされる。
はぁ、っと熱く湿った息を幾度となく吐き出して。……そこ、気持ちいい、です…、自然と閉じてしまっていた目蓋を何とか押し上げ、寝具の上からまっすぐ見上げ続けてくるヒバリさんに熱いあつい吐息を落とす。
くちゅり、くちゅり。止まらない音と、どんどん深く刻まれていく俺の眉間のシワ。
その気にさせろって言われたのは俺なのに。男なら誰だって弱い場所をゆるく、やわらかく愛撫され。しびれる快感に反った腰の線を辿り、夜着の裾を捲られて。俺が垂らした雫に濡れた下着まで下ろされて。むき出しにされた尻を、腰を愛しむようになぞられたら。俺はたまらず、「くっ…」、息を詰めた。

「ねぇ、」
「…はっ、……なんでっ…すか、……」
「キミだけ楽しんでどうするの。僕、寝るよ?」
「…冗談、きつぃ……っ、」

スルリと尻の割れ目に食い込もうとしていた指から逃れ、身体を下方にずらす事で愛撫の指先からも逃れる。
くすくすと笑う男に一泡吹かせてやろうじゃないか、の精神。おでこでもほっぺたでも、唇でもなく。今できる最大限のいやがらせ。顎にちゅっと微かに触れるだけのキスを落として、するすると肩に羽織らされた布団ごと身体を動かす。その際、もう不要としか思えない下着も脚から引き抜いた。

「寒いよ」
「すぐに熱くなりますよ」

ヒバリさんの口からフッと息が漏れる。
ほらね、やっぱり布団なんて掛けて貰ってもずり落ちるか。どうせ邪魔になって何処かにぽーんっと追いやる事になるって、わかりきってたのにね? ヒバリさんは本当に天の邪鬼だ。
どんなコトしてくれるの?って、視線だけで問いかけてくるヒバリさんは無視。
未だ乱れ知らずだった夜着の裾を大胆に開いて下着も。
ムゥ、って。色気ないねキミ、って。不満げなヒバリさんはやっぱり無視して、悔しいかな、芯の通っていないヒバリさんの息子さんをそっと両手で包み込む。
ぷるんっと丸いプラムのようなさきっちょも、この状態なら可愛いのにな、なんて。
しっとりとした独特の触り心地である息子さんに一度だけ頬ずり。つづけて、ちゅうっとプラムに吸い付き、ゆっくり起き始めたヒバリさん自身の根本を、親指と人差し指で作った輪っかでキュッと締め付ける。
それに加えて裏筋を執拗に舌先で突いて舐め上げれば、先ほどまでの愛らしさは一瞬で霧散して、見慣れた凶器に早変わり。どんどんと硬度を増していくソレの根本を緩く、緩くしごき、裏筋からプラムに差し掛かるまでを何度も何度も舐め上げる。それ以外の行動を知らない幼子のように。
ぺちゃぺちゃ、んぐっ。俺のたてる音に混じって、上方から短く息をするヒバリさんの気配が微かに聞こえる。
それがなんかうれしくて。ここぞとばかり、先端から頬張れるだけ喉奥まで咥えこみ、首を上下させながら吸い上げる。
飲み下せなかった唾液と、プラムから溢れた雫がテラテラと。俺の指とヒバリさん自身を猥らに染めた。
いつの間にか彼方こちらに跳ね放題の俺の髪にヒバリさんの指が触れていて、ときおりピクリと硬直したようになるのが、また…。
気付けば掛け布団や羽織っていた夜着だけでなく、敷き布団までがよれによれてシワだらけ。
濡れた水音に混じって、無意識なのか俺の髪を引っ張り始めたヒバリさんからもたらされる痛みで、俺も眉間にシワを寄せつつ。

「もういい、離れて」

赤黒い血管が浮き上がり脈打つ、完全に覚醒を果たしたヒバリさん自身から強引に引きはがされながら。
唾液とにがじょっぱい雫にまみれた口元を手の甲で拭って、ぺたんとシワだらけの布団に座り込む。

「ヒーバリさん、このまま寝ちゃいます?」

こてん、と首を傾げてにっこり。
俺の眉間からシワが消えた代わりに、怜悧な眉間が不愉快に歪む。
そして紡がれたのは、地を這う勢いなどす黒さ。

「…殺すよ、キミ」

ふかふかの敷き布団を大きくはみ出し、広々とした畳に後ろ頭を強か打ち付けた。
いったいなぁー…。
でも、ヒバリさんの言ってたコトの意味を、今、理解した。

「純粋な怒りの籠もった瞳って、キレイなんですねぇ」

押し倒された先は、上半身が畳みで、下半身が辛うじて布団の上、どこか間の抜けた台詞に返されたのは射殺すと言わんばかりの視線。
これなら腰は痛くならなくて済むかな。でもこの状態で揺すられたら、俺の後頭部、禿げるんじゃない…?、なんて。
さっきまでの怠惰が嘘みたいに、闇夜の狩人さながらの動きで俺を組み敷いた人が、獰猛な仕草で俺の腰を強引に引き寄せる。
俺への入り口に宛がわれたヒバリさんの凶器は熱く燃え滾っていて、慣らしもせずに押し入ってきた人に体内をこじ開けられながら。

「やっぱりヒバリさん、やる気満々じゃないですか」

口を突いてでた台詞は、それだった。












「ヒバリさん、起きたらお出掛けしたいです」
「何か欲しいモノでもあるの?」

布団の上にごろんと寝転がったまま。
前髪をチョイチョイいじってくるヒバリさんの指先をついつい目で追いながら口を開く。


ーーーーーーーオレンジ、食べたくないですか?


















(…それはキミを食べたくないかってコト?)(如何様にもご考察下さいな)

A、ストレスによって失われるモノ。水分、ビタミン、愛情。
全てを満遍なく摂取したいなら、適任者は オレンジ !


おしまい
twitterで拝借した【雲雀さんにお預けを仕掛ける沢田さん】より。
お粗末様でした!

ひよどりプル((,,´Θ`,,))プル


[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ