遊びは終わりだ・・・!
□暗闇に融ける紅
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−暗黒世界・ダークマターの城−
此処はダークマター族達が住む城。この世界の全てが真っ黒で暗闇に覆われている。その中心に城は建っていた。
城には数々のダークマター族が住み、02同様、上位階級の0「ゼロ」そしてリアルマター、ミラクルマター等が居る。
02「着いたぞ、ウルフ」
孤ウルフ「お城ぉー」
嬉しげにはしゃいで城内を駆け出す。その姿に呆れて溜息を着き、孤の後を追った。
−ダークマターの城・王室の間−
王室の間には暗黒世界を支配するダークマターと上位階級である0が居た。だがそこに道化の断末魔、マルクも居た。
ダークマター「今日は久しぶりに我が息子、ウルフに会える」
0「ダークマター様は色々と忙しかった様ですからね。・・・にしてもそこのピエロ」
マルク「あー?ピエロ言わないで欲しいのサ!僕はマルクなのサ」
ぷんぷんと怒るマルク。どうもこの二人は中が悪いらしくダークマターは溜息をつく。
ダークマター「揉めるなら他所でやれ。ウルフが来たら・・・」
言おうとしたと同時に孤が現れ、皆を唖然とさせる。
孤ウルフ「ぱぱー!!それにまるくとぜろぉ!」
02「ふぇ・・・疲れたぜ」
息切れをしながら孤の後ろから現れる02。
孤ウルフ「ぜろつーお疲れ様ぁ」
ニィっと笑う。だけど血塗れな孤の笑顔は何処か不気味であり妖艶であった。
孤はパタパタと駆け、ダークマターに嬉しそうに抱き着く。
孤ウルフ「ぱぱー、会いたかったぉ・・・・」
ダークマター「私もだウルフ・・・今日は一段と傷が多いな」
孤ウルフ「背中とか顔にいっぱい傷が付いてるぉ!でも今日は目を叩かれたから右目の出血が止まらないぉ」
嬉しげに笑うが、その拍子で右目からぼたぼたと血涙が落ちていく。
マルク「・・・傷ねぇ、僕も見たいなのサ」
0「誰があんなピエロに・・・僕も見るっ!」
02「あー?何言ってやがる、ウルフの傷をえぐるのは俺だ!」
ダークマター「・・・私が一番、優先権を持つのだが?」
まさに一触即発。孤を廻って睨み合う。孤は状況を判断しておらず、油断しきっていた。
孤ウルフ「みんな、何を睨み合って・・・・あああっ!!!」
突然背中に走る痛み。何の事かと見ればダークマターが孤の背中を引っ掻いていた。
ダークマター「ウルフ、久々だからお前の血を見せてくれ・・・」
グシャリ、ガリガリ
孤ウルフ「っあ・・・!」
次に脚に感じる痛み。孤は耐え切れず血を吐いた。
マルク「灰色の毛並みが真っ赤なのサ♪」
0「血涙も綺麗だよ」
ザシュ、ザンッ
腹部の傷をえぐる様に引っ掻く02。孤はそんな皆を顔を歪めて見たが、すぐににっこりと笑った。
孤ウルフ「・・・ぱぱも、ぜろつーもぜろもまるくも・・・俺が大好きだからそんな事するんだもんね?」
「ガハッ」と再び、血を吐く。床は孤の血がぼたぼたと垂れ、紅い血溜まりを作る。
ダークマターはその血溜まりに孤を降ろし。頬を撫でた。他の皆はその周りを囲い、孤を見る。
ダークマター「そうだ、お前が大好きだからこんな事をする」
02「愛してるぜ・・・?」
マルク「好きだからの行為なのサ」
二人も頬を撫でたが、頬を軽く引っ掻く。ツーと血が垂れ首元を伝い血溜まりに落ちた。
孤ウルフ「はぁ・・・はぁ・・・痛いけど・・孤児院に居る悪い大人よりはみんなの方がいいぉ・・・!」
0「可愛い・・・」
「フフ」と微笑んで孤を見た。