踏み出す世界は


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回復が終わったロージャと新しい仲間のヒーヤを引き連れて、ポケセンの隣にあるというジムに向かったけど。

「ごめんよー。ジムリーダーはいま留守なんだ」
「うっそ…」
「トレーナーズスクールにいるかもしれないから、探してきてくれる?」

ジム前にいる人に聞いてみたら、ジムリーダー不在の旨が伝えられた。
…散々だ。
ジムにいないのかよジムリーダー。
そう言えば、ヒーヤをくれたお姉さんもトレーナーズスクールがなんたらって言ってたな…。

「行ってみようか…」

どうしてもジムに挑まなくちゃいけないというわけではないのだが、チェレンに薦められていたこともあるし他にやることもないし。
…俺のしたいこと、か…。
そういえばママが姉さんに俺が旅に出たって伝えたって言ってたな…。あの人は何をしてるんだろ。

「……まぁあの人のことだし、どっかで気ままに生きてるでしょ」

心配する必要はないかな。
受付の人に許可をもらって、トレーナーズスクールに入れてもらう。おぉう、本当に学校だ…。
通信交換をしている子もいる…。オープンなんだなぁ。あ、やめてロージャを引っ張らないで。
…そう言えば、俺、ジムリーダーがどんな人なのか知らないや。
それらしい人はいないだろうかと教室内を見渡してみると、見覚えのある後ろ姿があった。
何やら黒板に書かれたことをメモしているらしい。…相変わらずマメだなぁ。

「チェレン!」
「やあトウヤ、ジムリーダーを探しに来たのかい?」
「まぁ、ここにいるって聞いたから。見てないかな?」
「さっきまでここでポケモンのタイプについて話していたけどね…すれ違ったんじゃないか?」
「うっそ…」

本当に今日は散々だ…。
がっくりと肩を落とした俺を見て、チェレンはところでさとメガネのブリッジを上げた。ところでさじゃねぇよちょっとこっちショック受けてるんだからさ…。
そんなこともお構いなしに、チェレンは自分の要件を告げた。

「ぼくと勝負してくれないか?」
「へ?なんでまた…」
「勝負のとき、どれだけ道具が重要か試したいんだ」
「道具…ああ、ヨクアタールとか?」
「そう。もちろん、室内での勝負。荒らすことなく戦うよ」

どうかな?と訊きながらもすでにボールを構えているチェレン。
俺は肩のロージャと足元のヒーヤを見遣った。うん、二匹ともやる気十分。

「いいよ。ちょうど俺も手持ちが増えたところでね、実力を試したいって思ってたんだ」
「ああ、そのヒヤップ?じゃあ、お互いに悔いのないように!」

チェレンのアイズでいったん距離を取る。あまりトレーナー同士が近すぎるとポケモン達が遠慮してしまうからだ。

「ポカブ!頼んだよ!」
「初陣だ!行け、ヒーヤ!」

トレーナーズスクールの生徒たちが見守る中、俺たちはポケモンを繰り出した。

【踏み出す世界は】

トウヤ 現在の手持ち
ロージャ/ツタージャ ♂ まじめ 見栄っ張り
ヒーヤ/ヒヤップ ♂ おだやか 体が丈夫

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