踏み出す世界は


□03
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2番道路もそろそろ終わり、というところで、ベルに会って勝負を挑まれた。
ベルの手持ちは最初に選んだミジュマルとヨーテリーの二体。ロージャしかいない戦いは少し辛かったけど、とりあえずは俺の勝ち。

「ふわあ…やっぱり強いんだねトウヤ。でも、手持ちの子は増やさないの?」
「んー、今はロージャだけでいいかなーって思ってる」
「そっかー。あたしも負けないようにポケモンを育てるね!じゃあバイバーイ!!」
「待った、どうせ行き先は同じサンヨウシティでしょ?一緒に行こうよ」

駆け出したベルの背中に待ったをかけて、一緒に歩き出す。
確かサンヨウとは三つ並んだ星のことだったか。
その名を冠した街は雪よけの階段のついた建物が多く、俺たちは初めて見る街並みにただ感嘆の声を漏らした。

「なんか、独特だね」
「うん。こういうの、ステキだね!」
「だね…ってベル!観光する前にまずはポケセン!!」
「あう」

レストランがあるーなんて言ってフラフラしだしたベルをとっ捕まえて、赤い屋根が目印のポケモンセンターへ直行。お互いのポケモンを預けて、さてどうしようか。

「あたしさっきのレストラン見てくるねー!」
「あ、うん。いってらっしゃーい」

混んでいるため回復には時間がかかるなんて言われてしまったので、この空いた時間をどうしようか。
タウンマップを開いて、周辺を見てみると夢の跡地なんてものがあるらしい。

「…草むらを避ければ、まあ大丈夫…かな」

距離を見るとそこまで遠いわけではないみたいだし。
軽くて虚しい肩の上を誤魔化すようにカバンを背負い直して、街のはずれにあるという夢の跡地を目指した。
ら。

「ねぇねぇあなた!最初にもらったポケモンはなあに?」

変なお姉さんに捕まった。
夢の跡地には何かしらの廃墟があって、木々に侵食されているためあまり奥には進めなかった。
正直に言ってあまり暇つぶしにもならなかったので、無茶して瓦礫を乗り越えて奥まで進んだら…なんか捕まった。

「どのポケモンをもらったの?ミジュマル?ポカブ?それともツタージャ?」
「え、えっと…ツタージャ、ですけど…」
「ツタージャなのね!じゃあこのヒヤップはぴったりよ!」
「ヒヤップ?」

どうぞ!と無理やりモンスターボールを押し付けられる。
戸惑っていると、お姉さんはあらあらと首をかしげた。

「旅に出たばかりなの?なら、トレーナーズスクールにいってみなさいな!」

きっと役に立つわ!と言い残してお姉さんはさらに奥へと行ってしまった。
…なんだろう、今日は年上に振り回される日なんだろうか。
しばらくボールを握って立ち尽くしていた俺は、とりあえずその中にいるポケモンを確認することにした。

「えっと…ヒヤップ、だっけ?出ておいで!」

ボールを空高く投げれば、光とともにポケモンが飛び出してくる。その姿を図鑑で捉えて、データを確認する。

「ヒヤップ…みずかけポケモン?」

水色の、噴水みたいな形のふさが特徴的なポケモンだった。
タイプはみず…くさタイプであるロージャとは相性は良さそうだ。

「…もらっちゃった以上、逃がすのも可哀想だよなぁ…よし」

俺の足元で首をかしげてるヒヤップの頭を撫でてやって、抱き上げる。
あまり暴れないところを見ると、おとなしい性格なんだろうか?

「俺はトウヤ。よろしくな、ヒーヤ」

たった今決めたニックネームで呼ぶと、一瞬だけきょとんとしてから頷いた。
…ついさっき手持ちは増やさないって言ったばっかりなのになぁ…増えちゃった。
さて、そろそろロージャの回復も終わってる頃かな。

【突然の出会いで溢れてる】
 (ただいまロージャ。新しい仲間だよ)
 (くさタイプとみずタイプ…仲良くなれそうだね)

To be…


今回は短め。
次回あたりでジム戦やりたい。

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