踏み出す世界は
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三人一緒に1番道路に踏み出して、ポケモンの捕まえ方を教わって。
せっかくだから競争しようとベルが言い出して、俺がそれに乗った。
幼い頃からいつもこうだ。ベルが何かしようと言い出して、それに俺が乗っかって、最終的にチェレンも巻き込んで。
「よっしゃ!じゃあ競走開始な!」
「うん!先に行ってるよ、トウヤ!」
「回復は各自の家でね。じゃあぼくもお先に」
草むらへと飛び込んでいった二人を見送って、俺は足元のツタージャを見た。
ツタージャも飛び出していった二人−そしてそれについて行った二匹を気にしているようだ。こころなしかそわそわしている。
俺もそれは同じなので、先に行ってしまった幼馴染に追いつくべく俺も歩き出す。
「じゃ、俺たちも行こうか、ツタージャ…いや、」
ふと、足を止める。
ただツタージャのままじゃ味気ないかな、なんて思った。
ツタージャとかポカブというのはあくまでも種族名であって、個人名を指すものではない気がする。この先、こいつ以外のツタージャと合わないとは限らないだろうし…。
うーん、と首をひねる。ニックネーム…咄嗟にいいのは思いつかないな。どうしようか。
さんざん悩んだ挙句、結局シンプルなものしか浮かばなかった。なので、その名を肩に乗っかっているツタージャに告げてみる。
「ロージャ。それが君の名前だよ…どうかな?」
一瞬キョトンとしたツタージャは、すぐに言葉の意味を理解したのかパァアの顔を輝かせた。何度も何度も頷いて俺の頭にしがみつく。これは、喜んでもらえたのかな?
ぽんぽんと軽く頭を撫でて、笑いかける。
「さあ、行こうか!ロージャ!」
【踏み出す世界は】
トウヤ 現在の手持ち
ロージャ/ツタージャ ♂ まじめ 見栄っ張り
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