踏み出す世界は


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「ねぇねぇ、どんなポケモンなのかな……?」
「プレゼントボックスを調べて開けてくれないかな?」

目の前に置かれたプレゼントボックスを見つめる俺を、幼馴染二人が急かす。
マイペースなベルはともかく、普段クールなチェレンがそわそわしているのは珍しい。
俺はそんな二人を見て、クスリと笑う。

「わかったって。…じゃあ、開けるよ」

リボンを解いて、ボックスを開ける。三つ並べられたボールと、一通の手紙がそこには入っていた。
ザッと手紙に目を通して、二人へと渡す。二人も手紙を読んで、お互いを見た。えへへと笑うベルに、メガネのブリッチを押し上げて笑みを隠すチェレン。そして微笑みを浮かべている俺。

「本当に俺が最初でいいんだな?」

最後にと確認すれば、ふたりは頷いた。

「トウヤの家に届いたんだし、選ぶのはトウヤからだよ!」

ベルが言って、チェレンが勿論と肯定する。
では、そういうことなら遠慮なく。
高まる気持ちのまま、俺は一番左のモンスターボールに手を伸ばした。

【踏み出す世界は】

ここは点と点が集う街、カノコタウン。
俺たちの旅はここから始まって、君との運命はこの日に動き出した。

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